私のチャップリン論!?

私のチャップリン論!?


〜パントマイムについて語る時、どうしても避けては通れない人物がいます。それは、「チャーリー・チャップリン」。私とパントマイムの出会いもやはりその偉人の映画でした。〜

私が初めてチャップリンの映画を見たのは、大学生の時。その可笑しさと哀しさにどっぷりとはまってしまった。もちろんそんな経験を持つ人は世界中にいて、現在世界には彼や彼の映画を研究する「チャップリン学会」なるものが存在する。2006年にはなんと、そのシンポジウムが京都で行われたという。彼は単に「パントマイム」では語れない人なのである。

私が思う彼のすごさは、その徹底した完璧主義による映画制作である。NGフィルムは膨大な量に及ぶらしい。また作品の重要な部分にどうしても違和感があれば撮影をストップし、何ヶ月も悩み続けたこともあるという。

私が思うに、彼は表現においてはかなり保守的である。よく「天才は早すぎる」などと言われ、チャップリンに関しても進取の気質を取り上げられたりすることがある。すなわち、世の中が機械文明の発達に大きな夢を抱いていた時にいちはやくそれを批判する映画を作ったり(「モダンタイムス」)、また戦時中に早くもヒトラーを批判する映画を作ったり(「独裁者」)などなど・・・。

しかし、私は逆だったのではないかと思う。つまり彼は古き良き時代を愛し、それを変えることは人の思いまで変えてしまう、ろくなことはない、そんな必要は無いと、そのように思っていたのではないか。その証拠に彼は、映画が完全にトーキーの時代になっても頑なにサイレント映画にこだわったのである。その保守的指向が新たな機械文明や、ファシズムという新しい流れに対しいちはやく違和感を持つ原因になったのではないかと。ただ、彼の生き方そのものが当時としてはとても過激だったために(共産主義と思われ「赤狩り」に遭ったり、3度の離婚に4度の結婚をしたり)、「保守」という発想とは結びつかないだけではないか、と思う。そして頑なな思いがあるからこそ、奇をてらった、一部の人にしか分からないような作品ではなく、誰もが楽しめる映画を残し得たのではないかと思う。

「チャップリン=保守=王道」。これが私のチャップリン映画観である。

ま、そんなことはさておいて、とりあえず見たことない方は一度見てみて下さい。チャップリンの映画で私のおすすめは、短めの作品だと「偽牧師」と「キッド」、長編は「モダンタイムス」「街の灯」そして「サーカス」です!!




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