またもや登る、最後は食べる
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またもや登る、最後は食べる ゴールデンブッダはその名の通り、金色のブッダ像である。 これがまたデカかった。高さが20メートルはあるだろうか。 首が痛くなるほど見上げなくてはならない。 最近できたのか、汚れもなくかなりきれいである。
ここでも信心深いスリランカ人が地面に座り込んで祈っている。 同じ仏教徒とはいえブッダを黙想できるほどではない我々日本人にとっては、この大きなブッダを見ることよりも、それに祈りを捧げている人たちを見るほうが貴重な体験になるかもしれない。
そしてその横にロックテンプルがある。 入り口の先を見ると、ななめ上へ延々と続く階段が見えた。 え? また登るの! 膝はガクガク、胸は・・・、えいくそ! 登ってやる! 今日は朝からシギリアロックにロックテンプル。聖なるところへは登らないと到達できないようである。
登っている途中、我々がお供えとして持っている花を奪おうと、ただならぬ殺気を漂わせた猿たちにピッタリマークされた。 花の密の部分を食べるらしい。 何人かは猿に襲われ花を捕られた! 危険だ! カンダラマ・ホテルにいた猿はおとなしかったが、ここにいる猿は大嫌いである!
そんな猿たちにドギマギさせられながら、ようやく頂上に着いた。 するとそこには岩の中をくりぬき、中に何十ものブッダ像を祀ってある穴がいくつもあった! なるほど、ロックテンプル(岩寺)なわけである。
それぞれの穴の中にはカラフルな壁画がビッシリと描いてあり、かなり見応えがある。 安らかな空間であると同時に、何やら鬼気迫るものさえ感じる。 こうまでして信仰した仏教、その気持ちとは一体なんだったのか、その思いの激しさにクラクラしてしまう。
ただこの岩の外側には回廊が作られていたのだが、これは後から付けたものだろうか、逆にないほうがいいような気がした。 というのも岩の中の像からは、信仰心とどまらず造らざるを得ませんでしたというような、壁画を描きまくって像を造りまくったという魂のほとばしりを感じるのだが、外の回廊はここを寺の体裁にしようと後から整えたかのように見えたのである。 なくてもよかったんじゃないかな・・・、と、勝手ながらそのように思えた。
また膝をガクガクにしながら階段を降り、この後はアローシャの自宅まで連れて行ってもらうこととなった。アローシャはまだ新婚旅行に行ったままであるが、家族のみんながご飯を作って待っていてくれるという。
車で3時間半かけて到着した時には陽もドップリと暮れ、夜8時になっていた。 アローシャのお父さんは会社を経営している。自宅も庭がありデカい。正直、この国では相当裕福なほうであろう。
家にはアローシャや妹弟の写真が飾ってあった。相変わらず双子の妹、ティリニとティランギの区別がつかない。写真を見てもどっちがどっちか。一人で写っている写真を指し、お母さんに「これはティリニ? ティランギ?」と聞いてみると、お母さんも「ん〜、これはティラ、ティリ、ん〜・・・」と分からないようであった。
そうこうしているうちに食事の時間になった。 テーブルにたくさんの料理が並べられている。 そして我々が食べ始めると、家族みんながテーブルの周りに陣取り、おかわりはいらないか、カレーはどうだライスはどうだ、サラダにイモもあるよとサービスが止まらない。 みんなワッセワッセと口に運ぶ。まさにわんこそばのようだ。 妹弟たちはすばらしくサービス精神旺盛で、お世話のできる子たちばかりで驚く。 そして最後はバナナにアイスまで出て、ジ・エンド。もう食べられまへん。
その後、ちょっとしたサプライズ。 なんとアローシャのお母さんが我がヨメさんに、ネックレスのプレゼントをくれたのである。アローシャが一番大変な時に助けてくれた、と感謝の気持ちをこめて。いやいや、我々も一緒に過ごせて楽しかったですよ、と。
みんなで写真を撮り、いよいよお別れとなった。我々日本人たちはみんな、今日の夜中の便でスリランカを発つ。
とても短かったが、夢のような時間であった・・・。
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