1. あっという間にドンコイ


最近アジア諸国を堪能しまくっているわたくしめが、とうとう足を踏み入れてしまった国、ベトナム&カンボジア。何がどう「とうとう」なのかはよく分からないが、とにかくこの両国、どちらもその昔はフランス領インドシナ。似通ったイメージの国かと思いきや、事前の情報によると全く違っている。

片やドイモイ(刷新)政策という名のもと、ゴリゴリと経済発展を遂げている新興国。
一方、戦争の爪あとが今も残る、アジアでも最貧国の1つとされる弱小国家。

隣り合わせているとはいえ、こうも評価が異なるとは。
確かにアジア好きの自分でさえ、ベトナムにはずっと前から行ってみたかったが、カンボジアに関しては全く無知。この際、超短期間だがドーンと2カ国周ってやろうじゃないかえーおい、ということで、何度も旅行してようやく慣れてきた飛行機に乗り、あっという間にベトナムはホーチミンに着いてしまった。

宿泊はなんと、ベトナム一の大都会・ホーチミンの中でも最も繁華なドンコイ通り。雑貨店やデパート、アオザイショップに一流ホテルが立ち並ぶ、ベトナムでも随一の観光地。
こんなところで本当のベトナムが見られるの? いや、見られるわけはありまへん。じゃあ田舎にでも行ってみるかい?いや、田舎行くほどの時間はない。ほんの数日。田舎だから本当のベトナムかというと、そうとも限らない。もう分からなくなってきた。

とういわけで、どうせなら経済発展の頂点を極めた有頂天ストリートを見るのが、ある意味いま一番注目されているベトナムの姿なのでは?と自分で自分を納得させ、結局ドンコイに宿泊となった。(ちなみにヨメさんはそんな悩みは1つもなかったようで、初日から「さぁおみやげ!」とショップを渡り歩くこととなりました。)

すっかり忘れていたが、ベトナムは社会主義国である。実は私たちが着く前の日がベトナムの独立記念日だったようで、街中にベトナム国旗と旧ソ連の国旗のようなものが飾られ、はためいていた。この旧ソ連の国旗のようなものは、共産党の旗だという。

道路には車があふれ、バイクがあふれ、しかもそのバイクには二人乗りだけでなく、三人、四人、下手すると子供を入れて家族総出の五人乗りなんてのもざらにある。ようやく規則ができてヘルメットは必須となったようだが、運転するお父さんと一番後ろに座るお母さんの間に座る子供達は、見事にノーヘルで黒髪をヒラヒラと風になびかせている。

空港からハイヤーに乗り、いよいよドンコイ通りが近づいてくると、ズラリと店が並んでいる。しかも絵を売る店ばかり。聞くところによると、観光客だけでなく一般のベトナム人もそこそこ絵を買うらしい。

さて、ドンコイにあるパレスホテルに着いて10階の部屋へと案内された。見晴らし良好。下のほうではピーピーとホーンを鳴らしながら走るバイクが大量にうごめいている。遠くにはメコン川が見えるが、それ外はビルや住居で埋め尽くされている。

まだ昼の3時。たったの5時間で着くのだからあっという間だ。
遅めの昼ごはんを取ろうとホテルを出てすぐの店で、早速フォーを食べてみることにした。
おしゃれな店。内装もかわいらしい。そして料理はというとすばらしくおいしい。これは楽しめそうだ。

期待に胸をふくらまし、早速、雑貨店を回り始めた…。
次回に続く…。
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