有名な遺跡ですよね?


次の日は、石垣島のあちこちを訪ねてみることにした。

まずは、マングローブが見られる場所へとバスで移動。マングローブとは、淡水と海水の混ざり合う場所に生育している植物、ということらしい。熱帯、亜熱帯の地域にしか見られない。石垣島には大きな川がいくつかあるのだが、そのうちの1つ、宮良川にヒルギ林がある。

橋の下、降りてすぐのところにマングローブが密生していた。ボコボコとうねるように生えている根っこが圧巻。ある意味、映えポイントである。その不思議な形状群を堪能。

普通ならここからカヌーに乗るマングローブツアーに参加したりするのだろうが、今日はとにかくあちこち行ってみたい。ということで、マングローブの後は、NHKのブラタモリでも取り上げられていたフルスト原遺跡に行ってみることにした。

バスに乗り、大浜公民館近くのバス停で降りて川沿いの細い道を歩く。途中に御嶽(大城御嶽)があったりする。こういうところもやっぱり沖縄だ。

さらに先に進むと、ようやくフルスト原遺跡の駐車場に着いた。屋根付きのベンチがあったので、とりあえずそこで、石垣港近くで買っておいたおにぎりを食べる。ポークや卵焼き、島豆腐などが入った、いかにも沖縄風おにぎりだ。とってもおいしい。

周りを見てみたのだが、遺跡の駐車場ではあるのだが、肝心の遺跡への入り口がどこだかわからない。駐車場の奥のほうにも歩いてみたが、ただの行き止まり。駐車場の横に木々の生い茂った山っぽいものがあるので、その向こうに遺跡があると思われるのだが、中へと入れそうな入口もない。仕方がないのでその山沿いの細い道を歩いてみた。

遺跡の駐車場からこんな謎の道を歩く必要があるのだろうか?途中、どうやら牛舎があると思われるどうにもプライベートな空間を通り過ぎたりする。こんなとこ通っていいのだろうか?フルスト原遺跡って有名な遺跡ですよね?ブラタモリでタモリさんも行ってたしね?しかも駐車場があるぐらいやから、観光客とか来るんですよね?観光客もこんな謎の小道歩くんですかね?

などと思いながら歩いていると、大きな車道に出た。なんとなく左に曲がってみると、「←フルスト原遺跡」と書かれた看板が見えた。え?ここから入るの?駐車場から遠すぎひん?

今まで来た道をほぼUターンするぐらいの角度で曲がると、両側に木々が茂った小道があった。この先に遺跡があるようだ。自分たちの前を大きな鳥が飛んでいる。まるで案内してくれているかのように、ときどきばっさばっさと飛んでは木に止まり、こちらが歩いて近づくとまたばっさばっさと飛んでいく。

ようやく視界が開けると、そこに遺跡があった!今はもう石垣しか残っていないようだが、だだっ広い広場のあちこちに石垣で囲われたエリアがある。14世紀から16世紀ごろの遺跡と考えられているが、ここで人々が生活していたのだろうか、この遺跡からは生活用品は出土しているが、武器などは見当たらないらしい。

高さは低いもののなかなか見ごたえのたる石垣を見ていると、その石垣の横を、いかにもご近所のおばさんらしき人が島ぞうりでペタペタと歩いて去っていった。普通に日々、通り道として歩いているようである。ここ、有名な遺跡なんですよね?

遺跡を堪能した後、そこから海のほうまで歩いて行ったり、またバスに乗って桃林寺に行ってみたりして、石垣島のいろんな場所を楽しんでからホテルへ戻った。レンタカーなしでローカルな場所をあちこち見て回る旅も、いよいよ明日で終了である。

次回、「旅の終わりはサーターアンダギーとにんにくかまぼことバクダン」に続く。。
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