マイムの定義��
マイムとは何ぞや？
ということで、前回はトニー・モンタナロ氏の著書によるマイムの定義をご紹介しました。
今回はクロード・キプニス氏著の「THE MIME BOOK」からのマイムの定義を紹介します。
キプニス氏はまず、「マイムとは、人間の体を動かしポジショニング（位置、形決め）をすることにより世界を再現する芸術である」という定義を試みています。
しかしこれだとダンスや彫刻（特に人物像を彫る場合）をも含んでしまう広義な意味合いになる。そこでさらに、「マイムとは、他人（観客）と共に世界を想像する芸術である」という定義に至ります。
もちろんこれも他の芸術領域と重なるかもしれませんが、私はこの定義がかなり好きです。
そしてキプニス氏は、この定義を全うするためにマイミストは観客の心を感じ取り、自分の想像力を手なづける（管理、制御する）ことが必要であり、何もない空間を使いこなして「そこにないもの」を「想像力」によって置き換えることが必要だと説いています。
そして使える道具は体だけ。どのような道具でもそれを使う人は道具の可能性を知り、どう統制するかを学ばなくてはならない、と結んでいます。
どんな芸術でもそれを言葉で定義しようとすれば、ある程度他の芸術と重複する部分が出てくるでしょう。しかしマイムほど定義に頭を悩まし、その定義が他の芸術と重なり、そしてとても広い領域を含むものはないのかもしれません。
演劇やダンスにも色んなジャンルやスタイルがあるように、マイムにも広い領域があり色んなジャンルやスタイルがあるというわけです。
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