沖縄の気になる世界遺産


沖縄にも世界遺産がある。

「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として、首里城跡(しゅりじょうあと)、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)、識名園(しきなえん)、斎場御嶽(せいふぁーうたき)、中城城跡(なかぐすくじょうあと)、勝連城跡(かつれんじょうあと)、座喜味城跡(ざきみじょうあと)、今帰仁城跡(なきじんじょうあと)が含まれている。

城跡の名の通り、現在、どこにも城はない。目に見えるのは城壁だけである(ただし、首里城だけは復元作業によって往時の城の姿が蘇っており、敷地内の他の領域では未だに建物や庭などの復元作業が進められている)。じゃあ一体どこが世界遺産対象なのか?もちろん、影も形もないお城や、くずれかけた城壁ではない。

城跡の場合、実は世界遺産はそれらの「遺構」ということである。遺構、つまり昔の構造物が地面や地中に残った跡のことである。首里城では、首里城の中に入って順路を歩いて見ていくと最後のほう、琉球国王の玉座があったり王冠が展示されているあたりに、地面が透明のガラスになっているところがある。そこから下に見えるのが首里城の「遺構」である、この遺構をそのまま残すために、復元された首里城は遺構に触れないよう床上げされて建築されているのである。

自分はもちろん、これらの沖縄の世界遺産すべてに訪れたことがあるが、このうちいくつかは無料で入れるのである。座喜味城跡と勝連城跡は無料であり(2018年3月現在)、園比屋武御嶽石門は首里城の外にあるので首里城に来れば有料区域に入らずとも見られる。世界遺産はお高い存在ではなく、案外簡単気軽に楽しめるのである。

首里城では毎日ではないが琉球舞踊をやっていて無料で見ることができたりする。また、正月や中秋の時期などにはイベント(古式行列や冊封儀式など)が開催されたりもしていておもしろい。

また、他の城跡でも、音楽のライブイベントが開催されていたりする。中城城跡ではAKBがミュージックビデオを撮影したりもしている。勝連城跡では「朝ヨガ」なんかも催されている。世界遺産とはいえ、かなり自由に面白い企画が開催されている。

自分は沖縄に引っ越そうと思い立ち、まず住むアパートを探そうと那覇市内を見たのだが、首里城のある首里の街に来た時、「ここがいい!」と思った。何よりもまず、アパートの窓から首里城が見えるのがいい。そして、都会でありながらも街の雰囲気がとても落ち着いていて歴史も感じる。

沖縄の地元の人がこれらの世界遺産に誇りを持っているかどうかは大いに疑問だが、(復元された)首里城の朱色や、なだらかな城壁は、県外から来たものにとってはとても斬新でおもしろい。

沖縄に来た際には、世界遺産にもぜひ注目して見てください!
(世界遺産に含まれていない城跡もたくさんあります。それらについてはまたあらためて。。)

以上、沖縄の気になる世界遺産でした。
プリンタ出力用画面 友達に伝える
前のページ
沖縄の気になる境目
コンテンツのトップ 次のページ
沖縄の気になる世界遺産以外の城跡