沖縄の気になる琉球舞踊古典女七踊りPart.3


古典女七踊りの残りの2つについて書こう。

「伊野波節」(ぬふぁぶし)
花笠をかぶって(持って)踊る哀しい踊りである。ストーリーのあるドラマチックな踊りと言っていいだろう。歌詞は次のようになっている。

逢わん夜の辛さ 他所に思なちゃみ
恨みてぃん忍ぶ 恋の習や
(逢いに行ったのに逢えない辛さ、あの人は他の人に思いを掛けてしまったのでしょうか。恨めしさは有りながらも、それでも逢いに行くのが恋心というものです)

恩納松下に 禁止の碑の立ちゅす
恋しのぶまでの 禁止やねさみ
(恩納番所近くの松の下に禁止版が立てられたが、恋し忍び会うことまで禁止はしていないでしょう)

七重八重立てる 籬内の花ん
匂移すまでの 禁止やねさみ
(花を七重八重に垣根で囲っても、その花の匂いがただようことまで禁止はできないでしょう)

逢わん徒に戻る道すがら
恩納岳見れば白雲のかかる
恋しさや詰て見欲しゃばかり
(逢えずに帰る道すがら、恩納岳を見ると白雲がかかっていて見えません。その様を見るとますます会いたくなり、せつない気持ちでいっぱいになるのです)

この踊りは、夜更けに逢瀬の場所に到着することろから、会えずに朝方に帰っていくところまでが演じられる。夜、人目を忍んで会いに来たけれども、会いたい人に会えない(相手が来なかった)。その切なさ、辛さが洗練された動きの中で伝わってくる。花笠を手に持ち、ひっくり返すように裏返すしぐさが裏切られた気持ちを暗示している。そして明け方、白雲のかかる山を見ながら花笠をかぶって人目を忍ぶように帰っていく。ストーリーの見える哀しい踊りである。

そして最後は「諸屯」(しゅどぅん)
これは夫に先立たれた女性の踊り。終始はかなさが溢れてくる、最も難しい踊りと言える。歌詞は次のようになっている。

思くとぅのあてぃん 他所に語らりみ
面影と連れて 偲でぃ拝ま
(思いつめたことがあっても他人に語れないこともある。あの人の面影を抱きながら昔を偲ぶ他はない)

枕並べたる 夢のつれなさや
月や入りさがてぃ 冬の夜半
(枕を並べて寝ている夢から覚めたときのつれないことよ。月が西に没し去ろうとしている冬の夜中)

別て面影の 立たば伽みしょれ
なれし匂い 袖に移しあもの
(お別れして後、私の面影が思い出されたときのために私の普段着をあげておきます。袖に私の匂いが移っていますから)

恋人が遠くに離れている(いわゆる遠距離恋愛)という解釈もあるようだが、今まで見てきた諸屯の踊りからは、やはり夫が亡くなった妻として解釈するのが正しいようだ。ひたすらはかなく、哀しく、なんとか立っているような、今にも煙になって消えていってしまいそうな、そんな踊りである。まばたき1つせずに見たい究極の踊りである。

というわけで、琉球舞踊の古典女七踊りについて書いてきた。内容を知るとまた見方が変わるのではないかと思う。見る機会があるならぜひとも見てほしい。

以上、沖縄の気になる琉球舞踊古典女七踊りPart.3でした。

ちなみに、現在、沖縄の景色をバックに琉球舞踊古典女七踊りを撮影しております。こちらのサイトに上げてみました。まだまだ工事中で今後URLも変えるかもしれませんが、見てみたい方はどうぞ!
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