Heartwarming


というわけで、最後のカテゴリーは「ほのぼの」である。

作品を作るからと言って、すべてがすべて劇的なことやテーマ性がなくてはならない、なんてことはない。もちろん何を描きたいのかという意図は必要だが、たとえば、友達とピクニックに行って、きれいな花や鳥の鳴き声を聞いて、青い空の下でおにぎりを食べる、あぁいい日だね…、そんな作品があってもいいのだ。

自分の性格上、そこまでシンプルな作品はどうしても作れないのだが、とりあえずこのカテゴリーの作品を3つ紹介しよう。

まずは、「お仕事」。
ある郊外の駅の駅員が主人公である。指差し確認、利用者への対応、ホームのそうじ。今日はいつもよりもちょっぴり忙しい。そんな駅員の半日を演じた作品である。
何もないと言っておきながら実はいろいろあるのだが、最初から最後までほのぼのとした雰囲気。
もっとほのぼのとした、本当になんにも起こらない田舎の駅員さんの一日にアレンジしようかなぁ、なんて考えている作品だったりする。

つづいて、「けむり」。
町のはずれまで外回りに来ていた営業職のサラリーマン。会社に戻ろうとバス停まで来たが、バスは1時間に1本しか来ない。いらいらしてタバコを吸い始めると、その煙が何やらフワフワとして気持ちよさそうだ。その煙に引き込まれるようにして彼は…?!
ちょこっと現実から離れてしまう瞬間。ただそれだけ。でもそれだけで、イライラなんて解消できるもんだったりする。

そして、「父の夢」。
子供に野球を教える父親。息子を高校球児、あわよくばプロ野球選手に! などと父親の夢はふくらむが、当の子供は子供。親の思うようには投げられないし打てない。それでも一生懸命になって、汗を流しながら教える父親。がんばれ、男の子!
この作品は案外、おじさん世代に人気の高い作品である。まだ息子が小さかった頃のことを思い出すからだろうか。
父親やお兄ちゃんとのキャッチボール。今はいろんなスポーツの選択肢があるのかもしれないが、自分たちの世代から上の人ならほとんどの人が「野球」をやった思い出があるのではないだろうか。

以上、6つのカテゴリーに分けて作品を紹介してきた。今後も新たな作品を作れば、ここに追加していきたい。