ジャッキーについて
(01年9月初出、22年2月リバイバル掲載)


ジャッキー・チェンが好きである。
大の大人が言うのもどうかと思うが、好きなのである。
シルベスター・スタローンも好きである。ロッキーが大好きである。
いや、それより今回はジャッキーである。

ウチらの世代は必ずどこかでジャッキーを通った。ジャッキーを見て誰もが無敵になった。しかし、周りの人間はほどんど小学生のうちにジャッキーを経験していたが、自分の場合はオクテで中学生になってやっとジャッキーだった。

その頃よく見たのが、「プロジェクトA」と「スパルタンX」。

「スパルタンX」ではジャッキーとユン・ピョウが一緒にアパートに住んでいて、朝起きるとすぐに木人を相手にカンフーの練習をしたりする。そして昼間はワンボックスの車の中で作った料理を売り、それで生活しているのである。そんな生活に憧れる、映画ボケ中坊だった。

そんな時だった、ジャッキーのファンクラブに入ったのは。会員証とともにジャッキーのかっちょいい写真が送られてきた。しかもサイン入りで。とってもお気に入りで、その後10年間自分の部屋に飾られることになる。

また、通信販売でジャッキーの歌う曲ばかり入ったカセットテープを香港から取り寄せたこともあった。全部広東語。歌詞カードも全部漢字なので、さっぱり意味が分からなかった。それでもムリヤリ口ずさんだりしていたのだが。

またジャッキーが日本で出した、「無問題」(モウマンタイ)なんていうLPを買ったり、ジャッキーのカレンダーを買って、3年ぐらい部屋の壁に貼ってたこともあった。ジャッキージャッキー、何から何までジャッキーだった。

そんなジャッキーが、映画「ラッシュアワー」でハリウッドに進出。そう、なぜ今回ジャッキーの事を書こうと思ったのかというと、その「ラッシュアワー」をビデオで見たからである。映画館へは見に行かなかった。なぜなら自分は、ジャッキーのハリウッド進出に懐疑的だからである。

やはりそこはアメリカ、東洋人に対して偏見があるし、きっと謎のカンフー使いのようなミステリアスな扱いになるに違いない、我らがジャッキーがそんな扱いなど断固として許さない、そう思うからである。

随分昔だが、ジャッキーは一度ハリウッドに進出している。「バトルクリークブロー」。正直言って、あんまりおもしろくなかった。香港でやるアクションをそのままのスピードでやるとアメリカ人の観客はついてこれないのか、とにかくスローな印象だった。

今回はどうなのか?ちょっぴり不安を抱えながら、おもむろにビデオをスタート。他の映画の予告編をすっ飛ばして、見始めたのである。

さあどうだ? どうなのだ??

お〜!? ほ〜! ありゃま! へ〜!

結論。

おもろい! いけてるやん!
おもしろいのである。「ラッシュアワー」、おもしろいのである!!
アクションコメディーの王道だ!笑わせ、すごいと思わせ、ハッピーエンド。なんにも考えなくていい単純明快なストーリー展開。そして勧善懲悪。絵に描いたような娯楽作だ!やったねジャッキー! すごいぞジャッキー!

もちろん今までのようにジャッキー監督・制作ではなく、言わばジャッキーが一役者として使われる側に回っているのであるが、使う方もジャッキーの事を心得ている。非常にジャッキーの味が出ているのである。

そして相棒役のクリス・タッカーもいい味を出している!今までのジャッキー映画だと、もうジャッキジャッキーなんでもジャッキー、笑わせるのも泣かせるのもひたすらジャッキーだったのだが、それがうまくクリス・タッカーに分散されている。見ていて楽だ。

そして、今までのジャッキーヘアは完全にナリをひそめているが、アクション部分は全てジャッキーが考えたのでは?というようなキレのあるものばかりである。(ジャッキーヘアというのは、うへだゆふじが勝手に命名したのだが、あのちょっぴり長めで後ろがフワッとしたジャッキーのヘアスタイルの事である。専属のヘアスタイリストが考え出したもので、アクションで動くたびにバサッ!バサッ!と動くので、スピード感と迫力が出るとか。ジャッキーのオリジナルヘアスタイルである。)

いやぁ、なかなかどうして、非常に良かった。バカになって見ることをお勧めする。非常に楽しめます!

そしてエンディングには、ジャッキー映画お約束のNGシーンが流されるのである!(嬉しいことに、進出第2弾「シャンハイ・ヌーン」でも流されるのだ!)

なんとも楽しそうだ。いつもなら大きなアクションに失敗して痛がっているジャッキーの姿が多いのだが、今回は少し勝手が違って、慣れない英語のセリフをかむジャッキーが多く映し出される。そのたびにスタッフも爆笑。なぜだかジャッキーの現場は、香港だろうがハリウッドだろうがとっても楽しそうだ。これもジャッキーの人柄がなせる技なのか。

やはり香港で一流ならハリウッドでも一流。これからもジャッキーの快進撃は続くのかもしれない。そんなジャッキーに勇気づけられ、なんとか今日も元気に生きていこうと思う。

がんばれジャッキー、負けるなジャッキー、ジャッキージャッキー、ジャッキー・チェン!

さ、「ラッシュアワー2」、今度は映画館に見に行こっと! むふ。
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