フェリーでマカオへ


翌日、マカオに行くためにフェリー乗り場に向かった。

マカオに行くにはパスポートの提示が必要だ。今では香港もマカオも中国なのだが、中国、香港、マカオの間を行き来するにはパスポートが必要なのである。

ホテルから歩いてすぐの港に行き、事前に買っておいたチケットと、パスポートを提示してフェリー乗り場内へと入った。ここからマカオへは1時間ぐらいで着く。

実はつい最近、香港からマカオへの道路が完成したためバスで行くこともできるようになったのだが、ホテルからバス乗り場はかなり遠いため、酔ってしまう危険性は高いがフェリーで行くことにしたのである。

今まで、国内や国外でフェリーに乗った経験上、フェリーは止まっている間の揺れのほうが酔いやすい。そのため、なるべく出発時間ギリギリに乗ったほうが気持ち悪さは抑えられる。

フェリーに乗り込む。やっぱりなんだかこの揺れは気持ち悪い。しかしフェリーが動き出すと、予想通り、止まっているときよりも酔わなくなった。これで安心したのか、あっという間に眠りに落ちてしまい、気付いた時にはすぐそこにマカオが見えていた。

マカオに降り立ち、ホテルのあるコタイエリアへのバスに乗る。コタイエリアは豪華なホテルやカジノが林立している一体だ。バスから見える街並みは、香港と同様、雑然とした雰囲気と高層ビル。しかしコタイエリアに近づくにつれて、あまりにも豪華なホテルが次から次へとバスの窓を通り過ぎていく。

自分たちが泊まるのはハイアット、すぐ隣にはシティ・オブ・ドリームズという名のホテル&カジノの一大リゾート施設がある。宿泊する部屋に通されると、窓からはシティ・オブ・ドリームズの逆側にあるウィン・パレスというホテルの広いプールが見える。プールには噴水があり、その周りにはなぜかケーブルカーが空中を悠々と回っている。

これはリゾートやな、高級リゾートに来たんやな、とまったく似つかわしくない関西弁で呟きながら心を落ち着かせていた。

ホテルのラウンジとやらで昼食をとったあと、となりのシティ・オブ・ドリームズ、そして近所にあるホテルを見に行くことにした。近くにはかの有名なベネチアンもある。その名のとおり、イタリアのベネチアをイメージしたホテルであり、ベネチアの街並み、水路、そしてその水路を走るゴンドラが、なんとホテル内に作られているのである。

まずはシティ・オブ・ドリームズのきらびやかなロビーを歩いてみる。なぜか、あまりにも高そうなスポーツカーが置いてある。そして有名ブランドのショップや大きなカジノがある。よし、夜はここのカジノに行こう。

どこをうろついてもあふれるほどの人で賑わっているシティ・オブ・ドリームズを出て、今度はベネチアンまで歩いて行ってみることにした。

近いはずが歩くとけっこう遠かった。しかし、もう入口からテンションがあがるほど壮大できれいなホテル。中に入ってみると、写真やテレビで見たとおりの豪華さ、そして出ました、ベネチアの水路とゴンドラ!そのゴンドラに乗るのを待っている観光客たち!
室内なのだが、上を見上げると青い空に白い雲。天井にきれいに空の絵が描かれてあるため、一瞬本物の空かと思ってしまうほどである。

いやー、まいった。これはすごい。

そうやってうろうろしているとあっという間に時間が過ぎていった。そういえば今日は20時からザ・ハウス・オブ・ダンシングウォーターという水上パフォーマンスのショーを見る予定だった。会場はハイアットのすぐ近く。今、何時?え?もう19時過ぎ?
早く戻らないと!

外に出てみると、ホテルのタクシー乗り場は大行列!しかもタクシーはたまにしか来ず、まったく列が進まない。基本的に流しは少ないため、道を歩いてもつかまらないと思われる。ここからショーの会場までは歩いて30分はかかる。時計を見るともう19時半。やばい、このままでは間に合わない、どうしよう。

隣のホテルのタクシー乗り場を見ても行列。ロビーの出口あたりにもタクシーは待っていない。これはやばい、間に合わない。もうチケットも買ってあるし、ものすごく楽しみだったのに開演に間に合わないじゃないか!

自業自得と言えばそれまでだが、まさかこんなにタクシーが来ないなんて思ってもみなかった。一緒に歩き回っているヨメさんもあせりまくっている。しかし、道を渡ってまた隣のホテルに行ってみたり、あちこち回ったけどどこもタクシー乗り場は大行列。

あぁもうダメ、絶対に間に合わない。。
名前も分からないホテルのロビーで、疲れ果てて二人とも座ってしまった。もしかして20時じゃなくて21時開演だったりしない?と、一縷の望みにかけてチケットを取り出して見てみた。でもやっぱり、チケットには20時開演と書いてある。5月2日20時開演。。何度見ても20時。。

え? 5月2日? 今日って、、??

5月1日です。。
ということは、、ショーは明日。。。

安心したとともに、自分たちのアホさにがっくり肩を落とす二人。そうか、明日か、良かった、単純に日付を間違えてた。。

安心すると急にお腹が減っていることに気付いた。もうゆっくりしてからハイアットに帰ればいいから、この辺で晩ご飯でも食べよう。。

ま、こういうこともあるわな。。特に旅行はいつもと違って気持ちもフワフワしてるし。。
そんなことを言いながら、晩ご飯の店を探し始めた。。

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