3. ぶらりホーチミン


次の日は、人民委員会庁舎、サイゴン大教会、ホーチミン市中央郵便局など、一通りの観光地を回った。
なんで郵便局なんか見に行くかというと、実はこれ、フランス統治時代に建てられたとってもオシャレな建物なのである。まるでヨーロッパの鉄道駅なんかを彷彿とさせるような。
郵便局だから当然、人は郵便物を出しに来るわけだが、そんな人たちよりも観光客のほうが断然多い。外は車と大量のバイク、そしてそれらが鳴らす警笛であまりにも騒々しいが、中は別世界の落ち着いた感じ。

ついでにすぐそばにある大教会も行ってみたが、こちらも中は別世界。静寂に包まれている。そしてやはり教会、結婚式が行われるのだろう。まさにこれからというような、ウェディングドレスを着た女性と、その横にモーニングとやらでバッチリ決めた男性。風貌から判断すると何やら男性のほうがものすごい年上のようだが(失礼)、ちょいとお願いして写真を撮らせてもらった。まさか新婦のお父さん? じゃないよねぇ?

そして今日は、昨日行けなかった水上人形劇に行くのである!
その名の通り、水上に人形が出てきてストーリーを展開する劇である。どうやって操作しているのかは分からない。おそらく後ろに人が隠れていて、そこから人形を操作しているようだが、何にしても、セリフに合わせて池のようなところで人形がパタパタと動くのである。
やはり農作やら周りにいる動物をモチーフにして作ったお話が多いようである。ベトナム語のためはっきりとは分からないが、パフレットに書いてある概要から判断して楽しむ。なんとも可愛らしい動きだ。泳いでいるシーンなんかは、人形がただ顔をバッテバッテンと水に打ち付けているだけである。
それを見て笑いが止まらないのは、どうやら我々夫婦2人だけのようである。みんながみんな、我々のように楽しんでいるかは分からないが、我々夫婦は生のセリフと音楽とともに大いに楽しんだ。

我々は自分達で勝手に行ったのだが、旅行会社で水上人形劇のツアーに参加すると、ここまで自転車タクシーで乗り付け、終わった後は食事に行くようである。我々は自分たちだけで食事に出かけた。

とにかくベトナムの食事はうまい。料金はベトナムの通貨であるドンでも、米ドルでも払える。
しかし米ドルで払う時は、店員の計算がざっぱなところもあるため注意が必要だ。ただベトナム人は概してみんな優しいし、店員もあまり姑息なことはしないようだ。
また川べりなんかでのんびりしていると、気さくに話しかけてくれるおじさんもいたりした。少し警戒してしまったが、本当に何にも怪しい意図はなかったらしい。失礼いたしました。

とにかくどんな店にいっても、店員がみんな愛想が良い。応対も上手だ。中には神戸でしばらく店員をやっていて、日本語が流暢にしゃべれる、なんていう女性もいた。
そんな店員に乗せられてか、ヨメさんはアオザイを試着。日本語でキレイ、カワイイを連発され、大枚(ベトナムでは)をはたいて購入。ついでに他の服も。とはいえかなり質はいいようで(素材や縫製に問題が見当たらない)、日本円に換算するとかなりお買い得ではあった。

ベトナム(ホーチミン)は、概して非常にいい印象であった。ただ1つ残念だったのは、テレビがつまらないことである。社会主義のせいなのか、バラエティやドラマはなく(中国の歴史物をよくやっていた)、独立記念日直後ということもあって、ホーチミン氏を称えるようなドキュメントや歌をひたすら流していた。
民族舞踊なんかもないようで、とりあえずホーチミンではダンスが見られるようなところはなかった。

それに比べると、実は、案外、この後行くカンボジアのほうがエンターテイメントは豊かなのである。

次回、カンボジアへ・・・。
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