沖縄の気になるユンヂチ


沖縄は未だに旧暦で行事を行う風習がある。旧正月や旧盆を祝うなど、本土とは違うタイミングで新年やお盆を祝う風習が残っている。

旧暦は月の満ち欠け、つまり新月から満月になってまた新月になるまでを1か月として計算する。
すると1か月は平均29.5日となり、1年が354日となる。ここに11日の誤差が生じ、それを調整するために約33か月に1度、余分な月が設けられることになる。
この月のことを沖縄では「閏月」(ユンヂチ)と呼ぶ。

本当はこのうるう月のことを「ユンヂチ」というのだが、現在の沖縄ではうるう月がある年全体のことを「ユンヂチ」と呼んでいる。約33か月に1度と書いたが、正確には19年に7回のユンヂチがあることになる。

沖縄では元来、お墓や位牌に関する法事や行事がたくさんあり、特に日にちや時期が重要となる。
ところがユンヂチがある場合、一年に同じ月が2度繰り返されることになる。実は2017年はユンヂチであり、旧暦の5月が2回繰り返されることになった。

この余分な月は、あの世では「ない」ことになるらしく、したがってこの時期にお墓の建て替え、墓じまいや改葬を行うといいということになる。
そのため2017年は沖縄のお墓業界?にとって大きな売り上げが見込める年となっていたわけである。

沖縄は海に囲まれた小さな島ということもあり、海が仕事や生活と密接に結びついているせいか、潮の満ち引きが重要である。
潮の満ち干きはつまり、月の影響であり、やはりここでも月が重要な存在感を示している。

月はまた、沖縄民謡でもよく唄われている。
その昔、沖縄には「毛遊び(もうあしび)」という習慣があった。
主に若者が夕方から深夜にかけて、野原や海辺で三線片手に歌いながら楽しむ遊びのことである。
そんな彼らを照らしていたのは、煌々と輝く月だったに違いない。

そんな沖縄の多くの人々は今もなお、月の存在を深く感じながら生活しているようである。

以上、沖縄の気になるユンヂチ、そしてお月さまとの深いかかわりについての話でした。
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