沖縄の気になる統計



沖縄に住んでいて気になるのは、子供の多さである。少子化問題は沖縄にはないのではないかと思うぐらい多い。だいたい各家庭に3人は子供がいるように思える。中には未だに(?)4〜6人兄弟の家庭もけっこうあったりする。

そこで人口統計を調べてみた。
いわゆる人口ピラミッドというのを見てみると、全体としては日本の平均の形とほぼ同じだった。つまり、100才以上は非常に少なく、そこから下の世代に向けて増えていって、まず団塊の世代(70才前後)で1つのピーク。この世代は沖縄でも大量にいるようだ。

そして、そこから下の世代に向かって減っていき、また40代の第二次ベビーブームで大きく増える。

問題はそこからである。例えば東京だと30代、20代、10代と減っていく一方だが、沖縄は20代が最も少なくて、そこから10代になると逆に増えるのである。おそらく、第二次ベビーブームの子供にあたる年齢から増えている、ということだろう。

そこで出生率を調べてみた。やはり沖縄は47都道府県で1番多かった。2015年の統計では、最低の東京が1.17に対して、沖縄は1.94。自分の実感で言うと2を切っているのは不思議なくらいだが、独身で子供を産まない人もいるのでそのくらいになるのかもしれない。

お祭りやイベントに行っても、デパートや映画館に行っても、ひたすらたくさんの子供を見るのである。

また、それとも関連しているかもしれないが、沖縄では車を運転している女性がものすごく多い。しかもバックや車庫入れなど、とても女性が運転しているとは思えないほどのうまさである。

そこでまた統計を調べてみた。2016年現在、女性の運転免許保有者数は47都道府県中9位であった。上位を見てみると、東京、神奈川、福岡、埼玉、大阪、愛知、千葉、静岡と、そうそうたる大都会や大量の人口を抱えた都道府県となっており、沖縄の突出具合がよく分かる。車社会ということもあるが、子供が多いため、送り迎えなどにどうしても車に乗る必要があるのかもしれない。

そして、最近の沖縄でよく目につくのが、留学生である。海外からの旅行客も増えているが、専門学校で勉強していたりコンビニなどで働いている留学生(特にアジアからの)をよく見かける。

これもまた統計を調べてみた。2016年の沖縄の留学生数は47都道府県中20番目の多さ(2178人)であった。これも沖縄の人口を考えると多いのではないだろうか。ちなみにアジアからの留学生が沖縄を留学先として選んだ理由には、気候が似ているとか、大都会の入学基準が厳しいなどもあるらしい。また街の雰囲気も、人が多すぎて他人をかまっていられないような大都会よりは、沖縄のゆるやかで人付き合いの優しいところが合っているのかもしれない。

そして最後に気になるのは、沖縄の給与水準の低さである。正社員でも給料が低く、普通の生活はままならない。非正規雇用も大量にあると聞く。

これも調べてみた。2017年の統計によると、沖縄の非正規雇用率は43.1%で、全国で最高だった。そして平均年収は47都道府県で45番目。ダントツ1位の平均年収615万円の東京に比べ、沖縄は366万円。サービス残業も多いらしく、観光で栄えているように見えて、なかなか沖縄の人の生活は良くなっていないようだ。

このように見ていくと、なんとなく肌で感じたり目にしたものと、統計が一致してくる。

地方に住むとつくづく思うが、中央の一存で決めても、地方にとっては何ら利益も影響もなく、まったくそぐわないものもある。少子化ですね、と言われても、確かに沖縄も少子化が進んではいるが、3人4人と子供がいる家庭も多く、結果として沖縄は、児童待機率が他県と比べて異様に高い東京よりもさらにダントツに高く、全国1位となっている。

もちろん県内で解決すべきことも山ほどあるが、米軍基地以外にも取り組まなければならない問題が多数あることが、肌感覚からも統計からも分かるのである。

以上、沖縄の気になる統計でした。
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