沖縄の気になる琉球舞踊古典女七踊りPart.1


以前にも書いたが、琉球舞踊を見るのが好きである。その数ある琉球舞踊の演目の中で、今回は古典女七踊りと呼ばれる7つの踊りについて書いてみようと思う。

女性の人生を表しているとも言われる古典女七踊り。その踊りや歌詞の内容を知ってから見れば、より味わい深いものになるはずである。

まずは、「本貫花」(むとぅぬちばな)
初恋の踊りとも言うべき、初々しい踊りである。貫花(花を糸で貫いてつなげたもの)を持って踊る。唄の歌詞は次のようになっている。

春の山川に散り浮かぶ桜
掬い集めてど里や待ちよる
(春の山川に散り浮かんでいる桜を集めて、あなたを待っています)

白瀬走川に流れゆる桜
掬て思里に貫きやいはけら
(白瀬走川に流れる桜の花を集めて、あの人に貫花としてかけてあげたい)

赤糸貫花や里にうちはきて
白糸貫花やゆいり童
(赤糸の貫花はあの人にかけて、白糸で貫止めた花輪はもらっておくれ、子供たち)

とても美しく純粋な踊りである。そして踊りの最後にちょっぴり驚くのは、持っていた貫花をはらりと地面に落とし、その花のほうに振り返りつつも去っていくところである。恋を知り、それまでの無邪気な子供時代から離れていく様を表しているかのようなこのシーンが、特に印象に残る踊りである。

そして「天川」(あまかー)
先の踊りからは一歩進み、愛情の深さを表現する踊りである。道具を持たずに踊る、いわゆる手踊りである。

天川の池に遊ぶ鴛鴦の
思い羽の契り他所や知らぬ
(天川の池で遊ぶ鴛鴦の羽の契り(二人の変わらぬ愛情)は誰も知らない)

別れても互に御縁あてからや
糸に貫く花の切れて退きゆみ
(別れてもお互いにご縁があるから(また会える)。糸に貫かれた花が散り去ることはないように)

難易度が高い踊りと言われており、この踊りを見ればその人の舞踊家のレベルが分かるという人もいる。「別れてもお互いにご縁があるから」というくだりからは、愛し合っている二人が何らかの理由で別れてしまわなければならないことを表している。あるいは、別れることはないけれど、もし別れることがあってもまた絶対に会えるということを言っているのか。こちらの思いを掻き立てる歌詞でもある。

あとの5つはまた次回に。
沖縄の気になる琉球舞踊古典女七踊りPart.1でした。
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