沖縄の気になる台風


沖縄には台風がよくヒットする。しかも、南の海で発生した台風が強い勢力のままやってくるため、直撃すると酷いことになる。本土にヒットするのは通常、そこから幾分弱まった状態の台風である。

とにかく風が異常に強くて、東京や京都などで味わった台風とはかなり違う。進むのが遅い台風だと丸2日間まったく自宅から出られなくなるため、ある程度の食料の備蓄が必要になる。イベントや会社、学校なども早めの判断で休みとなり、飛行機や船、モノレールなどももちろん止まる。

テレビやラジオでは事前に「台風対策」をするように言われるが、果たして農家や漁師ではない自分のような一般人にとっての台風対策とは何か? 未だによくわからないが、とにかく飛んでいきそうなものは室内に入れる、ということくらいしか思いつかない。ネットで調べてみたりすると、窓は内側からテープを貼るとかいう情報もある。普通は外に防御するものを設置するんじゃないかと思うが、その防御物が飛んでいくこともあるし、マンションのように窓の外側に何も置けなかったり板を打ち付けられないようなところではやりようがない。そこで、何かが飛んできたり強い風で窓が割れることを防御するのではなく、窓が割れたときに最小限の被害で済むように(つまり割れたガラスが飛ばないように)、内側からテープを貼るということらしい。

また、駐車してある車が飛んでいくことを避けるために、ガソリンを満タンにしたり、わざと重い荷物を入れておくこともあるらしい。そうすると風にあたっても動きにくいからである。台風の日に運転なんかしようものなら、ハンドルがとられて危なすぎる。

沖縄の家は台風のことを考慮してかなり頑丈な造りになっているらしいので、とにかく自宅でひたすらじっと耐え忍ぶしかないのである。

そして、沖縄の台風あるあるとして、台風が過ぎた後はガソリンスタンドの洗車場が大行列になる、というのがある。沖縄は海が近く、塩害がひどい。台風で浴びた海水のせいで車が錆びるのを避けるため、台風一過後は洗車に行く、というのが習わしである。

しかし、台風のせいで家屋や畑に甚大な被害が出る反面、台風が全く来ないと水不足になったり、海水が攪拌されないために海水温が上昇し、サンゴの白化が起こったりすることもある。来ないほうがありがたいが、来ないなら来ないで弊害もあるらしい。自然というのはなんとも御しがたいものである。
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