沖縄県内での配本


まずは、著者である自分自身による飛び込み営業!とばかり、沖縄でチェーン展開されている書店の1つに「写真集を置いてもらえませんか?」と突撃。すると、「個人からのそういった申し出は一切受け付けていない。置く場合は、出版社を通じて正規のルートで行ってください」とのこと。このチェーン店全体がそういう対応なのか?と確かめてみるためにも、同じチェーン店の別の書店にも突撃してみた。するとそこでは「なるほど。ではこちらから出版元のほうに直接問い合わせてみますね。条件が合いそうなら置かせていただきます」とのお返事。条件というは、書店による買取なのか、売れ残ったものは返本可能なのかということらしい。通常、このようなチェーン店では、個人が持ってきたものをそのまま置くことはなく、出版社とやり取りするのである(個人経営の書店は別だと思われる)。

また、書店によっては、書棚を貸す契約を出版社と結んでおり、契約を結んだ出版社は決められた書棚に自由に自社の書籍を置いていく、ということもやっているようである。当然、そこに個人の出る幕はないのである。

結果、出版元に問い合わせると言ってくれたこの書店に写真集が置かれることはなかったのだが、対応してくださった店長さんから得た情報によると、沖縄県内のみだが配本対応してくれる書店組合があるという。その情報をもとにネットでいろいろ調べてみると、どうやら沖縄県内で配本対応可能な組合(と出版社)が3つほどあるようだ。

まずは教えてもらった組合に行き、その後、別の出版社(配本のみの対応が可能)にも連絡を取って行ってみた。その結果、こちらに入るマージンはどちらも同じ(配本担当組織の取り分と、書店の取り分が差し引かれる)だったのだが、組合よりもその出版社のほうが配本範囲が広かったため、出版社のほうに100冊お渡しすることになった(もう1社、配本してくれる書店があるようだったが、そこはもう行かなかった)。

というわけで、この写真集の出版元に連絡し、そこから直接、配本してくれるこの会社に100冊送ってもらい、沖縄県内の書店での配本が始まった。この会社は沖縄の教育関係機関にも売り込みをかけてくれるので、沖縄県内の多数の大学や図書館にも購入してもらえたことが最大のメリットとなった。

これで、琉球舞踊写真集は沖縄の主要書店でも手に入り、全国では主にジュンク堂書店で手に入り、そしてAmazonなどのネットショップでも手に入るということになった。

手元の100冊はほぼなくなり、あとはそのまま1年以上、書店とネットショップでの販売を続けることとなった。自分は知り合いや親戚が多いほうではないので(むしろ少なすぎ)、そこから広げられる可能性は薄く、宣伝はウェブサイトやインスタグラムに限られていたが、そこから知って買っていただいた方もいた。そういった知り合いが多い方、フォロワーが多い方、(何かの講師をやっていて)たくさんの生徒を抱えている方などの場合は、そこから爆発的に広げられることもあるかもしれない。

販売開始からもうすぐ3年。次回は最後として、販売状況など、現状がどうなっているかを書いて終わりにしたい。
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販売開始から2年10か月での現状