出版に向けて:出版社とのやり取り


それぞれの踊りに合った季節に撮影したいと考えたため、7つの踊りを撮影するのに2年半かかった。台風やモデルさんの不測の事態で撮影が延期になったこともあったが、それ以外に大きなトラブルもなく無事に終えられたことはとても良かった。しかし、写真集として発売するまでにはまだまだやるべきことがある。

まずは出版社。出版してくれるところはないかと全国の出版社をいろいろ調べてメールを送ったりしたが、すべてなしのつぶて。しばらく待っていたら1社だけ連絡が来たので、その出版社の営業さんに会うことができた。本社からたまたま沖縄に出張で来るので、わざわざ時間を作ってくださった。

どういう写真集にしたいかと聞かれたので、まずは「なんかきれい」「見たことない」みたいな驚きから手に取ってもらい、見た後で「踊りの内容をもっと知ってみたい」となるような作りにしたいと話した。しかし、そこで言われた条件がなかなか厳しいのである。3000部売らないと儲けが出ないからまずはそれくらいご自身で売ってほしいとか、写真については専門のスタッフが確認するのでおそらくダメ出しがあってすべて撮り直しになるだろうとか。

出版社も売れる見込みがなければ意味がない。それは分かるのだが、どうやって自分で3000部も売るのか、また撮り直しになった場合、踊りにふさわしい季節まで待って、実演家の方をまたブッキングして、撮影場所の許可をまた取って、屋外の撮影なので晴れればいいが悪天候の場合はまた予定を組みなおして、撮影して、チェックしてもらって、また撮り直しになって、、、。そんなことをしていたら数年では済まない。しかもそうやって撮ったものが自分の撮りたいものになるのかも分からない。結果、お断りした。

沖縄の出版社なら事情は違うのかと思ったが、唯一連絡が来た沖縄の出版社からは「沖縄は写真集が売れるような土地柄ではないので、写真集の出版は難しい」と言われた。結果、(最初からそのつもりではあったが)自費出版することにした。つまり、写真集の製作費を全部自分で出す、配本してもらうならそのお金も自分で出す、その代わり作成に関する細かい指示を自分で行うことができ、各写真の著作権もすべて自分が保持できる、という形式である。

そして、そのような出版社を探し始めた。
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自分でサンプル本を作ることの重要性