Frightening


今回紹介するのは、「恐ろしい」作品である。ちょっぴり怖く、ゾゾっとするもの。1回目に紹介した「クレイジー」と重なる部分もあるのだが、それらよりは重たい印象の作品である。

まずは、「神さん」。
教会に助けを求めてやってきた男と、その教会のキリスト像とのやりとりが主題である。
教会で泣きじゃくる男がうるさくて、じっとしているキリストが動き出す。悩みを打ち明ける男。笑い出すキリスト。しかしなんとか励まそうとするキリストの努力も空しく、男はひょんなことから心の闇を露呈してしまう。

キリストをありえないぐらいコミカルなアレンジにしてしまっているのだが、決して侮辱しているわけではない。オチも多少軽い感じで投げ放ってはいるが、相当重たくショッキングなオチにするかどうかで悩んだ結果だ。教会に来た男の豹変ぶりにゾゾっとしてもらいたい作品である。

そして、「ニートの不安」。
夜中に親の金をくすね、コンビニへと出かけるニートの青年。その帰り、何やら光るものが落ちているのが見える。マスクだ。それを顔にかぶせてみる。マスクで顔を隠すことで、逆に彼の内面が現れる。不安と孤独。悪循環から抜け出せない彼は、一体この後どうなるのだろうか。

ニートを主人公として作ったが、今後は「ニート」を取っ払って、誰にでも当てはまる作品として作っていこうかと考えている作品である。
ちなみに「マスク」と書いたが、実際にマスクは使わない。何も使わず、マスクを表す。この辺もマイムならではといえるのかもしれない。
彼の不安にゾゾっとしてもらいたい作品である。

次回は、 「illusion」な作品を紹介する。