タシケントはやっぱり都会


もう最終日になってしまった。
最後はウズベキスタンの首都、タシケントに飛行機で向かう。
空港で少し待たされたが、あっという間のフライトでタシケントに着いた。
ここでは、サマルカンドからブハラまで運転してくれたあの同い年の運転手に頼んでおいたのだが、彼の会社の別のドライバーが迎えにきてくれる。安かったので頼んでおいたのである。

口頭でちょこっと頼んでおいただけだったので本当に来るかどうか心配だったが、空港を出てまっすぐ行くとすぐに「Yuji Ueda」の紙を持った50代くらいの男の人が見つかった。
ちゃんと来るんですね。なかなかやりますな、ウズベク人(日本人にとって普通でも、世界で普通とは限らないので)。

ワゴンに乗り込むと早速「どこへ行く?」というようなことを聞かれた。どうやらロシア語なら話せるが、英語は理解できないとのことらしい。事前に考えておいた場所の名前とスケジュールを身振り手振りで話した。バッチリ理解してくれたようだ。

ここではバザールに行ったり、金物や寝具、楽器などが並ぶ職人街に行ってみたり、もちろんモスクにも行ったりした。
また、世界最古のコーランが置いてある図書館にも行った。ガラスケースに入れられていて、もちろん触ることはできない。温度や湿度も調整されているのだろうが、ページの紙(なのか別の素材なのかは分からない)がパッサパサになっており、もし手で触ろうもんならそのままパラパラとくずれてしまいそうな雰囲気だ。警備員もいて、ここの空気は何か少し張り詰めたようにも感じられた。

私たちを連れて行ってくれるドライバーさんも優しく、どこに行くのも必ず車を降りてついてきてくれる。お互いほとんど意味の分からない言語と身振り手振りだが、それでもなんとなく言おうとしていることは分かる。

ここタシケントはさすがに都会、大きなビルや道、大量の車など、首都と呼ぶにふさわしい。物を売るのにもやはり人が多いほうがいいのか、どうも地方から物売りに出てきたような民族衣装の女性の一団が市場にいたりする。見ると、ヤギを並べて売っている。並べて、というのはつまり、生きているわけではなくて、足や内蔵、首などを切り落としたものをカゴに入れて売っているのである。なかなかグロテスクな光景だ。ただそれに反して、民族衣装はかなりいい感じだ。座り込んでヤギを売っているその一団にカメラを向けると手を振ってくれたりする。撮った写真をカメラのモニターで見せると恥ずかしそうに笑う。

すると、一人のおばさんに「あっちあっち! あっちを撮りなさいよ!」とばかりに指をさされた。その方向を見ると、一人だけ20歳ぐらいの若い女の子がいて、どうもその子がかわいいから撮りなさいと言っているようだ。近づいてみると、見た目は日本人に近いのだが、目は緑色。白の帽子がよく似合っている。お言葉に甘えて激写させてもらった。撮った写真を見せてあげると「キャー」と恥ずかしがった。いまどきこんな子がいるのか、というような純朴なリアクション。

ここウズベキスタンでは、子供にカメラを向けるとだいたい手を振ってくれたり、ポーズをとってくれたり、とても撮らせてもらいやすい。撮った後に「サンキュ」とか言われたりする。ただ、やはり年頃の子は恥ずかしいのか、男の子でもカメラを向けられると上着で必死に顔を隠そうとしたりする。そのリアクションがとてもかわいらしい。しつこくやると怒られるかもしれないので一度拒否されたら撮らないようにしていたのだが、なかなかいい「人」の写真がいっぱい撮れた。

さぁ、そろそろお昼の時間だ、ドライバーさんお勧めのお店に行って、この旅で初めての「マントゥー」(餃子みたいなウズベク料理)を食べることにした。これが原因かは分からないが、この後、夜の飛行機に乗るまでに大変なことになってしまうのである。

次回、「ここへ来て?!」に続く・・・。
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