メインディッシュはトーク?!


1回目のウズベキスタン旅行でも訪れたが、今回もちょこっとだけサマルカンドに滞在することにした。この後向かうヒバという街に行くためには、このサマルカンドから寝台列車に乗るのが安い。

前回もそうだったが、レギスタン広場などの歴史的建造物や観光地が豊富なこの街では外国人など珍しくないはずなのに、どうも現地人にジロジロ見られる。道をすれ違うサマルカンドの人とは必ずと言っていいほど目が合う。

この現象はどうもサマルカンドに顕著なものらしい。前回は子供たちに囲まれて写真大会となってしまうという出来事に遭遇したが、今回はある有名な建造物の前でヨメさんと座っていると、ふらーっとウズベキスタン人3人組のグループが寄ってきて隣に座り、自分たちと一緒の写真を撮って去っていった。言葉が通じないことを最初から分かっているのか、ずっと無言である。だからといってこちらも特に悪い気はしないのだが。。

この日の夜はホテルで夕食をとることにした。

大きなホテルではないものの、なかなか古くて品のある建物で、優雅な時間が過ごせる感じ。そこでは宿泊客が一同に会せる(といっても15人くらいか?)食堂があり、我々が一番乗りで入るとあとからヨーロッパ系のおじさんおばさんカップル、ひげをはやしたバックパッカー風の白人男性が自分たちと同じテーブルに座った。食事が来るまでなんとなく自己紹介的な感じになった。

カップルの男性のほうはイギリス人で、女性のほうはスペイン人(あとからよく聞くとバスク人とのこと)、2人とも50代後半ぐらい、バックパッカー風の男性は20代後半のルーマニア人ということだった。このルーマニア人の男性はヨーロッパから自転車で旅をしているらしく、トルコやイランあたりを通ってウズベキスタンに入り、このあとタジキスタンに向かうという。

料理が運ばれてくる。サラダや羊肉料理など、すべてがびっくりするほどおいしい! 自分たちのウズベク旅行史上、最高においしい料理たちが次々運ばれてくるのである! 感動!!

このホテルの夕食にしてよかった、イスではなく地べたに座って食べるこの食堂の雰囲気もいいし、他の宿泊客と話ができるのも素晴らしい。

ただ、、ヨーロッパ人にとってメインディッシュはトークなのか、とにかくひたすらしゃべり続ける。確かに面白い話ばかりなのだが、話に集中しようとすると味のほうがおろそかになってしまう。

中年カップルは世界中を旅行しているらしく、ヨーロッパやアフリカの旅行先の話がひっきりなしに続く。ルーマニア人の彼は、自分たちは日本人と比べて自由であるということを主張したいのか、「俺は半年から1年ほど働いて、その後会社を辞めて長旅に出る。エンジニアだから仕事はいつでもいくらでもある。ドイツでも働いたしアメリカでも仕事した。こんなの日本の社会では容認されないだろ?」という話が延々と続く。そして、日本に対する質問が飛んでくる。「なぜ鎖国したのだ?」「日本人はなぜワーカホリック(仕事中毒)なのだ?」などなど。鎖国は日本を守るため、でもそのおかげで独自の文化が花開いたのだとか、ワーカホリックもだいぶ変わってきている、日本もいまはワーク・ライフ・バランスなんですよとか、とにかく彼らの思い込みや紋切り型のイメージを払拭するのに躍起になってしまい、料理のほうが放ったらかしになってしまう。

おいしいのに。ウズベク旅行史上最高においしいのに。

19時からスタートした食事が、トークやワインを楽しんでいるうちに気がつけば21時半になっていた。

ひょっとするとこれから夜な夜な飲み続けるのかと思いきや、「じゃあこの辺でお開きにしましょうかね」という感じでみなさん帰っていった。自分たちは腹いっぱいにも関わらず、最後に出てきたものすごくおいしいプロフ(ウズベク風チャーハン)を食べたいとばかりに、最後にモグモグと口に入れ込んだ。

あーおいしい、もう少しゆっくり食べたかったけど、まぁいいか。

そんなこんなでサマルカンドの夜もふけていった。
明日は、今回の旅のメインであるヒバに向けて寝台列車に乗る予定だ。

次回、「ガキ大将か!」に続く。。
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