360度イチャンカラ


ホテルの屋上に上がると、すでにテーブルや食器が用意されていた。どうやら我々2人だけの貸切状態のようである。

3階建てのホテルの屋上なのでそれほど高くはないのだが、イチャンカラには高い建物がなく遮るものもないため、360度一望できる。まるでアラビアンナイト、異国情緒たっぷりである。

ホテルのスタッフが料理を運んでくれる。ナンや野菜スープ、マントゥー(餃子のようなウズベク料理)もとにかくおいしい。このヒヴァのあたりのナンは、少し平べったくて花模様がつけてある。町にはこの花模様をつけるための道具があちこちで売られている。ナンは各地方によって味や形が違っているので食べ比べもおもしろい。

日が沈み、空が紫色に変わってきた。その紫色をバックにしたイスラム建築がなお美しい。食事は食べきれないほどたくさん出てくるが、本当にどれもおいしく、残すのがもったいないので食べ過ぎてしまう。そして、食後にはお茶。飲みながら町を見渡していると、一体自分が今どこにいるのかよく分からなくなってきた。シルクロードの時代をそのまま残しているこの町に、平べったい顔の国の我々が迷い込んだような、不思議な感覚である。

ヒヴァに行く方がいれば、このホテルの屋上でのディナーはほんとにオススメしたい。日が出ている間は暑くて食事どころではないが、サンセット前から真っ暗になるまでの間、ここで時間を過ごすのは最高である。翌日はフランス人の団体がここで食事をとっていたが、イスや机が足りなかったようで、スタッフが総出でロビーや空き部屋のイスまで屋上に上げていた。大変そうだったが何だかみんな楽しそうである。そんなスタッフの雰囲気にも癒される。

食事を終えて部屋に戻り、余韻に浸りながらシャワーを浴びた。
ヒヴァの水は硬度が非常に高く、一瞬にして髪がゴワゴワになってしまう。シャンプーも全く泡立たないほどの硬水だが、この違いもまた旅の良さ。

明日はまたこのイチャンカラを散策し、屋外で開催されるというお芝居も見に行く予定である。実はこの情報は、このヒヴァに住んでいる海外協力隊員の日本人女性に教えてもらったものだ。この日の昼にイチャンカラ内でたまたまお会いしたのである。

日が暮れると寒くなってくる。さすがは砂漠気候。掛け布団をしっかりかぶって眠りについた。

次回、「日本人がウズベキスタンに来ない理由?」に続く。。。
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日本人がウズベキスタンに来ない理由?