ダンボール箱の行進


現地時間の夜9時過ぎ、ウズベキスタンの首都タシケントに到着した。
入国審査へと向かう。この飛行機に乗っていた日本人は、自分たち二人ともう1組のカップルだけだったようだ。

確かに空港は暗い。しかし、自分たちにとって陰鬱な気持ちになるほどではなかった。このぐらいの暗さならインドに行った時の方がもっと暗かったし、ミャンマーで国内線に乗った時のほうがさらに陰鬱だった。そうか、このぐらいでみんな落ち込むのか。じゃあウチらはもう落ち込むことはないな、などと良いように考えながら入国審査の列に並んでいた。

すると、すぐ近くで日本語で電話している人の声が聞こえた。気がつかなかったが、もう1人日本人が乗っていたようである。お互いに気づいて話し始めた。すると彼、何やら国際協力団体で働いているらしく、ウズベキスタンには何度も来ているとか。今日もこれからまだ1000キロ以上も離れた僻地に赴くという。
彼によると、確かに英語を話せる人はいないが、逆に英語や日本語で話しかけてくる人のほうが怪しいかも、とのこと。なるほど、観光客から何かをだまし取るにはまずコミュニケーションがとれないと。そんなことを話しているうちに入国審査の列はどんどん進み、いつも間にか自分たちの順番になった。3時間かかるときいていたのに、ものの30分で入国できた。予想に反してものすごくスムーズだった。

ところが、である。時間がかかったのはこのあと、ターンテーブルで荷物を待っているときである。どうやら韓国帰りのウズベキスタン人はみんな、韓国で電化製品を大量に買ってきているようで、ひたすら「Heater」と書かれたダンボール箱が流れてくる。スーツケースが出てくるのはその後なのか、とにかくひたすら電化製品の入ったダンボール箱の行進なのである。この行進をなんと1時間も見させられることになるとは・・・。

眠い。立っているのがつらいのでしゃがんで待つ。時計を見ると夜11時。日本時間でいうと深夜3時になる。眠いはずである。

ようやく空港を出て、事前にホテルにお願いしていたタクシーに乗ってホテルへと向かう。やはり外はかなり寒いが、経験したことのない寒さではない。おそらくマイナス3度ぐらいだろう。

両替所がなかったため、ホテルで両替。インフレのせいなのか、一気に100ドルも替えると大量の札束になる。現地通貨はスム。1000スム札がなんと220枚。ものすごくリッチになった気分である。

今日はここで寝るだけ。明日は朝早く起きてサマルカンドに向かう。
つかの間の眠りについた。

次回、「ロシア語(ウズベク語?)と日本語でコミュニケーション」に続く・・・。
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ロシア語(ウズベク語?)と日本語でコミュニケーション