レギスタン広場


スーツケースをガラガラと引きながらレギスタン広場へと到着した。
ここにはその名のとおり広場と、それを取り囲むように3つのメドレセ(神学校)がある。

壮観な眺めであった。
真っ青に晴れた空に向かって、メドレセがそびえるように建っている。建物はきれいな青で塗られている。通称サマルカンドブルーと言われる独特の青だ。

入場券を買って敷地内に入っていくと、そこで常駐している案内役のお兄さんに「ちょっとした秘密を教えてあげよう。奥のメドレセは上までのぼることができる。普段はのぼれないけど、今日はのぼれるかもよ。覚えておいてー」と英語でペラペラと教えられた。なんだかよく分からなかったが、とりあえずスーツケースを預けるところはないかと聞いてみた。すると、そこに置いておけばいい、と言われ、何やらお堀(?)のようになっている窪みにスーツケースを2つ置いた。そばに役人らしき人がいて、その人がみてくれるという。

そんなところに置いておくなんて無防備すぎるし、普通なら絶対に置かないのだが、さっきホテルでいろいろと世話してくれたおじさんたちのおかげですっかりウズベク人に対する印象が変わっていた。まぁ大丈夫だろう、そう思って置いておくことにした。

向かって左にあるのがウルグベク・メドレセ、正面にそびえているのがディラカリ・メドレセ、右にあるのがシェルドル・メドレセである。このシェルドル・メドレセの壁にはなんと、背中に人面が描かれたライオンが描かれているのである。何が驚きかというと、ここは17世紀に建てられたイスラムの神学校であり、イスラムは偶像崇拝を否定している。つまり、人や動物をモチーフにすることはタブーとされているのだ。にも関わらず、人面にライオン。これは支配者が自分の権力を誇示しようとした、ということらしいが、とにかくイスラム建築にはあるまじきデザインなのである。

3つのメドレセをじっくりと見学。
今はもうどのメドレセも学校としては使われておらず、建物の中にも入れるようになっている。なんとなく見ていると、厳重にカギのかけられたドアがあった。ここは入れないのか、と思っていると、タタタっとどこからともなく男の人が走ってきて、「入りたいか? ここからなら上まで登れるよ」と英語で話しかけてくる。なるほど、これが入口の案内役が言ってた「ちょっとした秘密」か。

「のぼりたい」というと、「はい、じゃあ1万スム」と言われた。
これまたなるほど。事前に聞いていた情報によると、観光地ではちょこっとお金を払うと入れるようなところがあるらしいという。まぁこれを追加料金と言うべきか、ワイロというべきか。日本円にすればちょこっとした金額だし、のぼってみるかと思い、二人して登ってみた。

すると、これがなかなかのいい景色。上からメドレセを見られるとは思わなかった。屋根の上まで上がったのだが、ところどころ凍っていた。ここで足をすべらせるとエライことになりそうだ。すべらないように気を付けて、恐る恐る階段へと戻っていった。

3つのメドレセをじっくり見ていると、気がつけばもう昼の1時になっていた。
スーツケースを取りに戻る。はい、なんの問題もなく元の場所に置いてありました。
するとガイドの兄ちゃんが手を広げてこそっと出し、「お役人さんにチップを」と小声で言う。広げた手はどうやら5を意味しているらしい。なるほど、まぁチップというべきか。これは払うべきでしょうね。というわけで5000スムを役人らしき人に払って出てきた。5000スムを手にした役人は、素早くそれをポケットにしまいこんだ。

気がつけばお腹はペコペコである。すぐ近くにあったレストランに入った。
お客さんは自分たち以外には一人もいなかったが、料理はどれもおいしかった。マスタバ(野菜の入ったスープ)、シャシリク(いわゆるシシカバブ)、それにサマルカンドナン(パン)。確かにスープはかなり脂っこかったが、クセがなくて相当うまい。初のウズベキスタン料理を堪能して、再度ホテルへと歩いて向かった。

次回、「スター気分?!」に続く・・・。
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