スター気分?!


ホテルといっても客室は数部屋、いわゆるB&B(Bed & Breakfast)という簡易ホテルである。

到着し、朝と同じように呼び鈴を鳴らしてみると、今度こそ中からスタッフが出てきた。中へ案内してもらうと、英語でいきなりこう言われた。
「サマルカンドは電気事情が悪い。このホテルも電気が足りなくて、部屋では暖房が使えないけどいいですか?」
あれれ、そうですか。夜中は確実に氷点下、暖房なしではちょっとキツいかも。
「でもお湯は出ます。ブランケットも余分に持っていきます。部屋を見て泊まるか泊まらないか決めてください」
部屋を見てみるとキレイだ。窓やドアを閉めればなんとかなるかもしれない。そう思って泊まることにした。

再度、町に出る。
町を歩いていると、現地の人にけっこうジロジロと見られる。観光地だから外国人が珍しいわけではないのだが、どうも外国人にかなり興味があるらしい。不意に日本語で声をかけられたので振り向くと、男性二人組み、サマルカンドの大学で日本語を専攻している学生とのことだった。ガイドしましょうかと言われたが、もちろん無料というわけにはいかないため丁重にお断りした。日本や日本人に対してのイメージを悪くしないように、などと思いながら。

すると突然、小学生らしい子供たちにワーっと囲まれた。外国人に興味があるようで、なにやら話しかけてくる。「ヤポネ。日本人ですよ」というと「コニチワ」と言う子供たち。気がつくと、周りの子供たちが携帯で私たちの写真を撮りはじめた。「一緒に写ってくれ」とジェスチャーする子供たち。代わる代わる携帯を渡しあいながら、入れ替わり立ち代わりいろんな子供たちとの記念撮影が始まった。有名人でもなんでもないのに、子供たちは大ハシャギである。

嵐のように過ぎ去っていった子供たちを見ながら、ヨメさんと二人してこの予想もしなかった体験に大笑いしていた。
もちろん、その間に財布をスルとか、何か物を盗むということもなかった。純粋に私たち外国人を見てテンションがあがっただけのようである。

その後、小物やお土産を売っている店をいくつかウロウロしていると、今度は女性2人組、おそらくウズベキスタンの他の地方からこのサマルカンドに旅行に来ているような若い女性から、「写真に一緒に写ってください」みたいなことを言われた。
「え? なんで?」と言う我々に構わず、私たち2人の間に代わる代わる入って携帯で写真を撮る2人。
笑顔で「ありがとう」みたいなことを言いながら去っていった。
一体どういうことなのだろうか? この国でも韓国ドラマがはやっているらしいから、なんとなくそんなのに出てきそうな顔をしている我々に憧れでもあるのだろうか??

微妙にスター気分? を味わえた瞬間であった。

その後、小腹がすいたのでどこかでお茶しようと歩いていたら、目の前のお店のドアが開いて、中から日本人らしき男の人が出てきた。
こちらを見て「どうぞどうぞ」と手招きする。
日本人がやっているお店なのかな? と思いながら、中に入ってみた。

次回、「ユーアーマイフレンド!」に続く・・・。
プリンタ出力用画面 友達に伝える
前のページ
レギスタン広場
コンテンツのトップ 次のページ
ユーアーマイフレンド