停電したら手元見えないのでとりあえず電気つくまで待ちます


夕食はホテルの近くの小さなレストランに入った。
レストランにはいつも行き当たりばったりで入る。もちろん超有名でガイドブックに必ず載っているような店に入ることもあるが、現地の人だけが利用しているような、英語も通じない店に入るのが好きである。
この店も、観光客が全くいない店だった。

事前にいろいろと覚えていたウズベキスタン料理のうち、食べたいものをいくつか頼んでみた。
しかし、どれもないという。
そしてひたすら「ラグマン? ラグマン?」と聞いてくる。どうやらラグマンしかないようである。
仕方がないのでラグマンと、ナンとお茶をたのんだ。
ラグマンとは、トマトベースのスープに太めの麺や野菜、パクチーが入った料理である。

2、3分ほどですぐに出てきた。食べてみると・・・。
うまい!!
まったくクセがない。スープは少し油っぽい感じがするものの、パクチーのおかげでスッキリ飲める。
そして、その油っこい料理の後味をこれまたスッキリさせてくれるお茶がなんともおいしい!

周りのテーブルには、中年から老年にさしかかったようなおっさんばかりがいる。
中には民族衣装のような厚手のコートを羽織っているおっさんもいたりして異国情緒たっぷりだ。
みんなボソボソ話をしたり、もくもくと食べたりしている。お酒を飲んで賑やかに、という感じではない。

店員が「おいしいか?」と聞いてきた。「おいしい、Good!」などと話していると、不意に電気が消えて真っ暗になった。
停電である。なんにも見えない。特に声があがるでもない。当然だ、彼らには日常の光景だから。
なのでこちらとしても特に何の危険を感じることもなく、暗闇の中でなんとなく待つ。
電気がついた。別にみんな普通だ。また消えた。

今度はなかなかつかない。
お金を払って出ようかとも思ったが、手元が全く見えない。というかカウンターがどこにあるか、店員がどこにいるかも全く見えない。
なにやら遠くのほうからロウソクの光らしきものが近づいてきた。その瞬間、電気がついた。
見ると、我々観光客のために店員がロウソクに火をつけて持ってきてくれていたようである。
電気がついて思わず「あっ」とつぶやく店員、はずかしそうである。
それを見てこちらも思わず笑ってしまう。
このサマルカンドに住んでいる人たちは、ほんとに素朴でいい人たちばかりである。

明かりの下で、紙幣を確認して渡した。歩いて5分、ホテルに帰った。
部屋は、、、氷点下の気温で隅々まで冷え切っていた。。。

次回、「さすがにぬるま湯はキビしいです」に続く・・・。
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さすがにぬるま湯はキビしいです