第6章 ジョークの応酬 

ファイブ・アイランド・ホッピング・ツアー。
そのラストとなる5島目は、マムティク島であった。
ここでお昼ご飯。スタッフが持ってきてくれたチャーハンや魚料理、ソーセージやフルーツなどを楽しむ。
ツアー客はみなさん体がデカいのに、一皿しか食べない。
私たち日本人二人と、じいさんだけが何杯もおかわりしていた。

ここでしばらく滞在、ご自由にどうぞ! となった。
砂浜にゴザを敷いて寝っ転がってみた。ふと後ろを振り返ると、じいさんが木陰で眠っている。
居心地のいい場所を見つけるのはとてもうまそうだった。
私たちは日焼けすると真っ赤になって大変だから、と、木陰にいるものの、顔や体をバスタオルや帽子で隠しながら寝っ転がっていた。
太陽なんか浴びなくても充分暑く、そして風は気持ちいい。この自然の中でのゴロ寝はなかなかオツなものである。

我々のツアー客以外にも、たくさんの観光客が楽しんでいる。
しかしよく見ると、周りは西洋人ばかり。みんなやたらと真っ赤に体を焼いており、さらにこれでもかとポジションを変えながら焼いている。
そしてみんな本を読んでいる。一体何を読んでいるのだろうか?

しばらく寝っ転がっていると、何やら足が痛い。見ると、膝から下だけがヒリヒリに日焼けしていた! 同じくヨメさんも! 足だけ日焼けしてしまった!! 
唯一の誤算であった。

その後、ホテルへと戻ることとなった。
戻る途中、船を止め碇を降ろすガイド。何が始まるのかと思ったら、「釣り」だった。
最初に釣った人にはプレゼントあり! ということで一人ひとりに釣り糸を配り、それを船から垂らして釣ることとなった。

しかし、…待てど暮らせど誰一人として魚を釣り上げることができない。
するとじいさんが、「これはあれかい? 釣らないと帰らせてもらえないのかい?」と憎まれ口をたたく。中国系家族のお母さんも、「釣った人から帰れるのよ、きっと」などと冗談の上乗せをしている。

どうしても釣れないので、船の場所を変えることとなった。
ところが船のエンジンがかからない。ガイドが冗談で、「みんなライターを出してくれ。燃料が足りないんだ!」と叫ぶ。すると中年カップルが、「そうか、いよいよ魚を釣らないと生きていけないわけだな」などとジョークを飛ばす。家族のお母さんが、「あ、エサを取られてる。新しいエサあるかしら。イカ以外でもっといいものがあるといいんだけど。」と言うと、ガイドが「私の腕の肉はどうだい?」と飛ばす。するとお母さん、「ふ〜む、それもいいけど、魚が好むような肌にはみえないわね。」などと、真顔で会話しているのである。
真顔でジョークの応酬。
英語の分からない我がヨメさんはその度に、「え、なんて? あの人なんて言ったん?」と聞いてくる。小船の上での同時通訳となった。

結局誰も一匹も釣れず、釣りは終了となってしまった。
こういう時もあるさ、だってこれが釣りだもの・・・。
結局、帰りに全員がプレゼント(首から下げるアクセサリーのようなもの)をもらい、ホテルへご帰還となった。

一日ゆっくりと海を堪能し、非常にぜいたくな時間を過ごすことができた。
幸いなことにスコールも降らず、驚くほどの青い空。海に入っても全く体が冷えないぐらい暑い一日だった。今度来た時にはどこか1島に絞って、ゆっくり過ごすのもいいかもしれない。

ホテルに戻り、ヨメさんはホテルにあるエステへと出かけていった。
前日に予約していた、フェイスエステの90分コース。
決して安くはないのだが、やはりホテル好き、ホテルのサービスは味わいつくすヨメさんであった…。

次回、「料理は指定、味は未定?」 へと続く…。
プリンタ出力用画面
友達に伝える

前のページ
第5章 ファイブ・アイランド・ホッピング!
コンテンツのトップ 次のページ
第7章 料理は指定、味は未定?