5. 国際結婚について考える


バリの男性と日本の女性、この国際結婚はかなり多いようである。

私があるバイトをしていた頃、同じ職場の女性がバリの男性と結婚した。珍しいことなのかと思っていたら周りにも結構いるらしい。またテレビを見ていたらバリに第2夫人として嫁いだ日本人のドキュメンタリーもやっていた。

さらに現地を旅行していた時、タクシーの運転手に日本語で話しかけられたのだが、彼の嫁さんは日本人だという。バリに遊びに来た彼女をナンパしたとか。彼の言う通り、週末のビーチにはバリ人男性が大量に群がっていて、「国際ナンパ」が繰り広げられている。逆にこれを目当てにバリに遊びに行く日本人女性もいるのだという。

金目当ても多々あるようなので気をつけて頂きたい。信用できるかどうか。というのも共同名義でバリに店を持とうなどと言われお金を払ったとしても、バリの不動産はバリ人でなければ所有できない。はいサヨナラと言われれば、ただお金をあげただけで終わりである。

バリ人と結婚した私の友達の女性は、そういうことではなかったようだが、SARSや津波などで観光客が激減すると収入がないと言って、よく日本に一時帰国してバイトで稼ぎ、またバリへ帰っていたようである。結婚したとはいっても国籍、姓名は変えなくてもいいらしい。他にもインドネシア人と結婚してジャカルタに住んでいるドイツ人を知っているが、彼女も国籍はドイツのままである。そのほうが海外に出る時に便利らしい。インドネシア国籍だといろいろと制限があるのである。

ドキュメンタリーに出ていた第2夫人の女性も大変なようであった。第1夫人からの嫉妬によるいじめが酷いのである。決して楽園ではない。そしてバリ男性はあまり働かないと言われている。

ここまで書くと、なんでバリ人と結婚するの? という疑問が沸いてくる。習慣も言葉も宗教も違い、日本ほどは便利でもない遠い国に?

そこでバリ男性と結婚した先ほどの彼女に聞いてみた。彼女いわく、日本人には疲れた、まどろっこしい、それに対してバリの男性はストレートで分かりやすい、それに真剣さが伝わってきたし、ということらしい。

・・・そんな人、バリ人じゃなくてもいるでしょうに。
つまりいろいろ聞いてみても考えてみても、結論として見えてくるのは1つである。
「運命」
それしか納得のいく理由なんて見つからないのである。それまでの彼女の人生と、出会ったタイミング、それがたまたまバリ人だった、結局ただそれだけのことである。

バリには毎年、大量の日本人が遊びに行く。日本語だけでほとんど旅行できるほどである。その多さに比例して国際結婚も多くなる。どうやらそれだけのようである。

ただ1つ言えることは・・・。
これはバリに限ったことではないが、アジア諸国を旅行しているとなぜか生きている実感が沸いてくる。その彼女もバリでの生活をそう語っていた。生活、生命力を感じるというのである。

都会での生活感の薄い毎日を経験した人ほど、バリ人との国際結婚にまつわる色んな苦難を簡単に乗り越えられるのかもしれない。
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