気楽で便利なマレーシア


コロンボから4時間弱のフライトで、マレーシアの首都・クアラルンプール(KL)に到着した。時差の関係ですでに朝8時である。

アジア旅行ではどこでもそうだが、空港や駅を出ると必ず観光客目当ての男たちに囲まれる。ここでも空港を出ると、タクシーのうんちゃんらに声をかけられた。

しかしここでは勝手が違った。確かに声はかけられたのだが、たったの二人だけ。しかも断るとそれ以上しつこくは迫ってこない。なんとなく「電車で行くつもりで・・・」と言うと、「駅ならこっちだ。そこのエレベーターに乗ればいい」と、案内までしてくれた。

つきまとってくる人たちに対してはどうしても邪険な態度をとってしまう。しかしここでは失礼だったかもしれない。タイやインドでまとわりついてくる人々とは違って、マレーシア人は人が良いのである。

ここから宿泊先のヒルトンまでは特急電車で28分、35リンギット。ホテルはセントラル駅から直結している。そのセントラル駅に到着し改札口を出ると、目の前に「ヒルトン・デスク」というのがあった。宿泊の方は声をおかけください、とある。直結のはずだから上へ上がればそれでいいはずなのだが、とりあえずデスクに声をかけてみた。するとハイヤーでフロントまでお送りするのでどうぞ、と案内され、車に乗せられてたったの1分、フロントに到着した。・・・さすがは一流ホテル、ぜいたくなサービスである。ここからは一度もスーツケースに触らせてもらえなかった。楽チンである。

まだ朝の10時だったがもう部屋に入れるという。やたらと英語の流暢なフロントの女性にルームキーをもらった。キーというよりカードである。これはエレベーターに乗ったときにも使用しなければならない。これを差し込んでから行き先階のボタンを押すのである。とういよりこれを差し込むと、自分の宿泊する階のボタンしか押せない。こうして関係のない人が宿泊階に入れないようになっているのである。さすがはヒルトン!!

ロビーのレストランで朝食をとり、日本語OSの入ったパソコンが置いてあるビジネスルームとやらでメールを確認した。いくら日本円が強いアジアとはいえ、日本語OSの入ったパソコンが使える場所は無いのである。ここでもさすがはヒルトン! を実感した。

その後、飛行機でほとんど眠れなかった我々は部屋に戻り眠りこけてしまった。

起きると夕方になっていた。食事をとるためチャイナタウンへと行くことにした。
チャイナタウンというのはどこの国にも存在するかのようである。スリランカにはなかったが、日本にもあれば、オーストラリア、タイにもある。

チャイナタウンの最寄り駅・パサール・セニ駅へは、セントラルからたったの二駅。料金も1リンギットで行ける。安い。セントラル駅には色んな路線が乗り入れていて、改札口がたくさんある。最初はどの窓口で切符を買ったらいいのか、一体どこの改札を通ればいいのか分からずウロウロしてしまったが、あっちこっち見たり聞いたりしているうちにようやく理解できた。KLは地下鉄やモノレールが張り巡らされており、これらを利用すればどこへでも安く行けるのである。今まで旅してきたどの街よりも便利だ。

せっかくチャイナタウンに来たのだからと露店のある通りへ行こうと歩いていると、ヨメさんが死にそうな顔をしている。空腹で倒れそうだという。我々は二人ともそうなのだが、とにかく空腹に弱い。フラフラになった上に機嫌が悪くなってしまう。
露店は後回しにし、先にレストランへと入った。

店に入った後に分かったのだが、入ったレストランは100%ベジタリアンの店だった。肉に見えるものは豆腐で作ってある。海老フライをたのむと湯葉を揚げたものが出てきた。味は全く海老らしくなかったが、見た目はとりあえず頑張っている感じである。それはそれでおもしろい。

ここでふと外を見ると、昨日まで一緒にスリランカを旅行していたアローシャの同僚の男女の姿が見えた。全く別行動ではあったが、スリランカ旅行の後、この二人だけは我々と同様KLで過ごしていたのである。思わず手を振ると、向こうも気づいて店に入ってきた。
この広いKL、行くとこ遊ぶとこは色々あるのにまさかこのチャイナタウンのはずれ、ベジタリアンの店の前でバッタリ出会うとは・・・。

話を聞くと、彼らはKLの中心に宿をとり、今日は一日街をウロウロしていたらしい。明日は大晦日、そのためのイベント準備があちこちでされてましたよ、独立広場のあたりにもステージが作られてましたし、カウントダウンの時には花火が上がるらしいですよ、と教えてくれた。

お互い不干渉主義というわけではないが、ご一緒するわけではなくここで別れた。そうか、カウントダウンで花火か・・・。我々は明日の大晦日、ホテルで食事でもしながら過ごそうと思っていたが、新年を海外で過ごすのは初めてだ。せっかくだから教えてくれた通り、明日は独立広場とやらにでも繰り出しますか! カウントダウンや花火を見にね! と決定した。

帰りに露店街を見に行った。夜にも関わらず人がたくさんいて楽しい。CDを買わないか、中国式マッサージはどうだと、あちこちから声をかけられるが、ギラギラしたボッタクリ感をまとって怪しく近づいてくる者はいない。みんな楽しそうにやっている。

一通りブラブラした後、また電車に乗って帰ろうと駅へ向かうと、駅の横でイベントをやっていた。ステージ上でMC兼歌手のようなインド系の女性がノリノリで歌っている。横には素人さんが何人か舞台に上げられている。マレーシア人は基本的におとなしいようで、舞台に上げられた素人さんは恥ずかしそうにして、なかなかMCが思うように動いてくれない。一人で盛り上げようと歌いながら頑張っているMC女性。さすがはエンターティナー、えらいやっちゃ(よくは知らないが)。

セントラル駅に到着しホテルに戻った。ホテルが駅に近いというのはとてもいい。タクシーに乗ったりやたらと歩いたりしなくていいからである。駅近がこんなに便利だとは思わなかった。

明日は大晦日、そして海外で迎える初めての新年。一体どんな感じなのだろうか・・・。

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カウントダウン!!