その昔バックパッカー、今や一流ホテルを自慢する?


キャンディの超一流ホテル・カンダラマは山の中にあり、ひたすら真っ暗な道を車で行かなければならなかった。

スリランカでは、車はものすごいスピードで飛ばして走る。それにも慣れたつもりだったが、この真っ暗な道でもゆるめる気配がない。前を見ていると怖くて仕方ないので、車の激しい揺れに身を任せて目をつぶっていた。

途中、迷いながらもなんとか到着した。

チェックインしようとホテルの中に入ると・・・。おお! すごい! 

ワクワク感をかきたてるような、アトラクションのようにも思えるホテルの通路! 
周りは鬱蒼とした木々に囲まれている。裏には岩がゴロゴロ転がっており、自然との一体感もすばらしい。さすがは有名デザイナーが斬新なアイデアで作ったというホテルである!

廊下のきれいさをアピールしているのか、スタッフは皆裸足で歩いている。
ロビーは湖を臨むように配置されており、全ての空間が広々と造ってある。
中までついてきてくれたマリスも、ここでは子供の笑顔に戻っていた。

部屋に案内され、窓から外を見るとまるでジャングルにいるかのようである。
そして時折、この山の中に住んでいる動物の鳴き声が聞こえたりする。
なんとも贅沢なホテルだ。

ここにたったの一泊なんてあまりにも短い、残念、などと思いながら、虫や動物たちの鳴き声を子守唄に、眠りについたのである。


翌朝、ホテルの廊下を横切る猿たちを見ながらチェックアウトを済ませた。スタッフも笑顔でテキパキとこなしてくれる。

今日もマリスたちのお迎えで観光に出かける。他のメンバーをピックアップし、最後に我々を迎えに来てくれたマリスと運転手。
メンバーは皆このカンダラマを見てみたい! と、ロビーまで入ってきて写真を撮り始め、我々に「どうだった? どんな部屋だったの?」と興味津々で聞いてくる。「いや〜、良かったよ〜。」などと自慢げに語りながら、デジカメで撮った部屋の写真を見せる私たち。

悩みに悩んだ結果、思い切って一泊取ってみただけのホテル。20代の時はバックパック専門だった自分が、ここでは20代の彼らに一流ホテルのことを語っている・・・。不思議な光景である。
あの頃は右も左も分からず、ただその日の宿を探して歩き、料金を交渉し、ぼったくられ、見も知らない他人と同部屋に泊まり、食中毒になりながら旅をしていた。それを思えば、今回は相当快適な旅をしている。
あの時の自分と比べれば、安いホテルに泊まっているとはいえ20代の彼らも比較にならないほど裕福な旅である。若者はスーツケースではなくバックパックをかついで旅せよ! などと思ってしまう元バックパッカーな私であった。

今日はシギリアへと向かう。ここにはシギリアロックという、どでーんとでかい一枚岩があるのだ。オーストラリアのエアーズロックのような感じであるが、昔はその頂上にお城が建ててあったという。そして頂上に登る途中には貴重な壁画などもあるらしい。

ここからシギリアロックまではそんなに遠くなかった。到着して車を降りてみると、唐突に1つだけ、むやみやたらとでっかい岩があった・・・。
プリンタ出力用画面
友達に伝える

前のページ
象とブッダの歯
コンテンツのトップ 次のページ
聖地を登る、ひたすら登る