幸せ絶頂・疲労も絶頂


パーティの後、アローシャの高校生の弟・チャミルの運転する車に乗せてもらい、我々日本人6人は近くのデパートに買い物に行った。

そこでとりあえず解散、自由行動となり、我々夫婦は二人だけでレストランへと食事に出かけた。
スリランカらしいものを、と店員に頼み、お腹のすいていた我々はバクバクと食べ始めたのだが、メインの料理がとても辛く最後まで食べ切れなかった。スリランカ料理はとにかく辛いとは聞いていたが、唐辛子というよりもコショウ辛いのである。

観光客用の店ということもあり予想以上の出費となってしまったため、安く乗れる3輪バイクタクシーを拾ってホテルまで帰ることにした。スリランカではタイ(トゥクトゥク)やインド(オートリクシャ)にあるのと同じような3輪のバイクタクシー(スリーホイーラというらしい)が走っている。私は他の国で何度も乗ったことがあるのだが、ヨメさんは乗ったことがないと言う。値段を交渉し、後部座席に乗り込むと運転手はブイブイとすっ飛ばして走ってくれた。

そんなバイクタクシーから見た夕方のコロンボの景色は・・・。
やはり隣国のインドに似ている。人の見た目や服装、南国の木々、電車にはあふれんばかりに人が乗っていることなど、パッと見は区別がつかない。しかしいわゆるホームレスの数は圧倒的に少ない。またインドとは宗教が違うため、インドで見るようなヒンズー的なもの(ヒンズー寺院や神様の銅像、修行僧であるサドゥー、店の名前がヒンズーの神様の名前だったり)を見ることはない。そのかわり、あちこちに釈迦の坐像を見る。またインドとは女性のたたずまいが違う。スリランカはアジア諸国の中でも女性の地位が高いと評価されており、確かにそういった雰囲気が町の女性からも伝わってくる。そして目が優しい。インドでは少しでも観光客からぼったくってやろうと、こわいぐらい鋭い目をした男がたくさんいたが、そういう人はいない。

我々はその窓がないバイクタクシーの後部座席で風をビュンビュンと受け、もの凄く爽快な気分でホテルに到着。ヨメさんもこの乗り物をたいそう気に入ったようである。

部屋に戻ると疲れがドッと出たのか、ヨメさんはベッドにゴロンと横になり、そのまま眠りこけてしまった。アローシャや他の日本人たちは今頃クラブで楽しんでいるだろう。ま、もともと我々はタバコもアルコールも全く好まないので、クラブなんぞにはそれほど行きたくないのだが、アローシャたちは明日からモルディブへと新婚旅行に出かけてしまう。今回の旅で会えるのは今夜が最後である。なんとかヨメさんを起こし、一言あいさつだけでもと、ホテル一階にあるクラブへと向かった。

するとクラブの前にアローシャがいた。我々が現れないから部屋まで来ようと出てきたのである。

クラブに入らなくて済んだ我々はある意味ホッとしロビーに座ると、後からダミンダも出てきた。二人ともグッタリ疲れている。準備から式本番と、ここ2、3日ろくに寝ていなかったらしい。

一通り話をしてじゃあまた会おうね、日本に来るか、こっちがオーストラリアに行くか、などと話して別れようとすると、ダミンダの携帯が鳴った。彼の親戚が今から来ると言っているらしい。

ようやく寝られると思っていたアローシャとダミンダは、「・・・今日も寝られないよ・・・」とさらにテンションを落とし、呆然としていた。
そんな二人を残し、我々は失礼して部屋へと戻った。

明日はアローシャの弟や、お父さんの運転手たちの案内でキャンディというところへ観光に連れて行ってもらうことになっている。我々日本人と、アローシャの留学生仲間である韓国、ドイツ人を交え総勢11人で。

部屋に戻った我々は、明日のチェックアウトの準備もせずグーグーと寝てしまった。

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