チャップリンの名作中の名作No.1


チャールズ・チャップリン…。
もう特に説明の必要もないほど有名な映画人である。
彼がいわゆるあの格好、山高帽にチョビひげ、ステッキを持った放浪紳士として登場し、銀幕を賑わし始めたのは1914年。もう100年も前の話である。
未だに彼の映画が映画館で上映されたり、次々とDVDボックスになって発売されている。
芸術家の真価はその死後100年経ってから決まるものだ、などという言葉を聞いたことがあるが、100年経っても色あせない彼の映画は、やはり人類の宝と言わざるを得ない。
今回は、その作品の中でも個人的に特に好きな映画を、これまたランキング形式でご紹介しようと思う。
すでに別のエッセイで少し触れていたりもするが、気にせずぶっ放したい。

では、いってみましょう、「個人的に大好きなチャップリンの名作中の名作」。

まず第3位!
「街の灯」

この名作が3位ですからね! ありえないね!
人類がこれまでに作った全映画で投票しても3位とれますよ!これは!
ストーリーはもちろん王道。目の見えない女性にチャーリーが恋をする。
彼女は放浪紳士チャーリーのことを大金持ちだと勘違いしてしまう。
この勘違いのくだりがとにかく秀逸! チャーリーのキャラクターを存分に生かした、あまりにも自然な流れ!
当初、チャップリンはこの流れをどうすればいいか悩んでいた。
どうすれば自然な形で彼女がチャーリーを金持ちだと勘違いするか?
この答えがなかなか出せなかったチャップリンは、なんと思いつくまで撮影をストップしたのだ!
1年以上も! これぞ、妥協を許さぬ真の映画人!
しかし、この映画について常に語られるのは、あまりにも有名なあのラストシーン!
映画史に残る名シーンとはこのことだ! これを見ずにクラシック映画が語れるか!

感嘆符だらけになってしまったが、いつの世でも、どこの国のどんな人にでも見てもらいたい名作である。
ランクを3位にしたのは、チャップリン映画の真骨頂である「ペーソス」は素晴らしいが、もう1つの柱である「笑い」が少なめだからである。
あぁ、辛口。こんなことを書いたらチャップリンフリークから苦情が来ないかと思うぐらい辛口。

では次にまいりましょう。第2位!
「サーカス」

わお!! これが2位か!
この映画にはさきほど書いた「ペーソス」と「笑い」、両方とも詰まっている!
いやどちらかというと「笑い」が突出して素晴らしい!
チャップリンのズバ抜けた身体能力、そして、いわゆる「マイム」の才能もガッツリ見られる。
「いわゆるチャップリン」を見たけりゃこの映画をお勧めする。期待を裏切らない。
しかも、オープニングで流れる曲はチャップリン自身の作曲、歌っているのもチャップリンである。
一体何役こなすのか?!という超人ぶりも発揮している。

さて、1位を発表する前に、いわゆる長編ではなく短編とされる映画のNo.1を発表しよう。
短編No.1はこれだ!
「偽牧師」

刑務所を脱獄した主人公が、たまたま手にしたのが牧師の服であった。
脱獄囚が牧師に間違われて巻き起こる騒動。すべてがおもしろすぎる。
そしてこの映画もラストが素晴らしい! 
まさに100年経っても色あせないとはこのことである!
全人類にぜひとも見ていただきたい。

さぁ、それでは1位を発表してしまおう。
「個人的に大好きなチャップリンの名作中の名作」、第1位はこれだ!
「モダンタイムス」

笑い、皮肉、警鐘、ペーソス、弱き者たちへのメッセージ、すべてが詰まっている。
この映画が公開されたとき、映画界はすでにトーキーの時代となっていた。
ずっとサイレントでやってきたチャップリンはあくまでもサイレントを貫こうとする、
しかし時代には勝てない。最初のほうのシーンでは、チャップリンが働く工場の社長がしゃべるシーンがある。
とにかく「時代の移り変わり」というものに対するチャップリンの反抗心が、この映画の形から、そして内容から伝わってくる。

まぁそんなことは考えなくとも、この映画には誰もが考えさせられ、笑わせられ、泣かされるだろう。
中でも自分が特に好きなシーンは、チャップリン自身が歌いながらダンス(マイム)を見せるシーンだ。
ここだけを毎日何回も見続けたこともある。それぐらい大好きな場面だ。
すべてを含めて、この映画を1位としておこう。

長編短編を含め、チャップリンの映画は他にもたくさん見ることができる。
人類の財産である彼の映画は今後100年経っても、さまざまな人から愛され続けるだろう。

以上、「個人的に大好きなチャップリンの名作中の名作」No.1でした。
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