あまりにもスゴいのにまったく人にはオススメできない映画No.1 ~洋画編~


前回に引き続き、「あまりにもスゴいのにまったく人にはオススメできない映画」No.1を紹介する。今回は洋画である。

今回紹介するのは「最高のおバカ映画」の呼び声も高い、「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」(2006年公開)である。

いわゆるおバカな洋画は日本人にとっては失笑を買うだけで、何やらあまり印象に残らなかったり、特に大きな影響を与えないものが多いと思われる。しかし私はこの映画を、非常に計算された、あまりにもリアルで、アメリカの内実をエグり出すような作品だと思っている。ただ、普通の女性や子供には全くオススメできないのが大きな難点である。

主人公はカザフスタンのリポーター。彼は最新の西洋文化を吸収するため、国費でアメリカに渡っていろいろな人に会うことになる。ドキュメントタッチのロードムービーだ。アメリカンジョークの先生や、フェミニスト団体のリーダーなどとの勉強会(インタビュー)を行っていく。

しかし差別意識や男尊女卑の考えが満載のこのリポーターは、周りのアメリカ人の感情をひたすら害し続け、彼にとっては普通(といっても少々過激)な振る舞いが、どこに行っても、何をしてもアメリカ人の癇に障るのである。とにかくこの映画では、差別用語や暴力、エログロ、民族や習慣の違い、あらゆるものをすべて見せられてしまうので、自分の思っている常識観念はなんと凝り固まっているのかと、逆に反省させられてしまうのである(良く言えば)。

ただ、家族で見る映画からは何万光年も離れているので、よっぽどいろいろな映画を見て、飽きて、何か別のものを探しているのなら見てもいいのではないだろうか、そんな感じの映画である。

ちなみに、もし見るなら全く情報を知らないままで、何も調べず、あえてDVDの説明書きやあらすじも読まないで見て欲しい。後でいろいろ知れば2倍楽しめるかもしれない。

日本ではあまり話題にならなかったようだがアメリカでは一部大反響を呼んだようで、ゴールデングローブ賞主演男優賞も獲得しているという。批評家の間でも認められている作品ではあるが、刺激が強いので気をつけましょう。

以上、「あまりにもスゴいのにまったく人にはオススメできない映画」No.1でした。
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『ロッキー・ザ・ファイナル』の名ゼリフNo.1