あまり知られていないがとってもすばらしい水谷豊出演作品No.1


さて今回は、私が大好きな日本の俳優、水谷豊についてのNo.1をご紹介しよう。古くは『傷だらけの天使』や『熱中時代』、ちょいと前には『刑事貴族』や火サスの『浅見光彦』シリーズ、最近では『相棒』シリーズで有名な彼だが、そんな誰もが知っている作品はあえてここで紹介しなくてもいいだろう。それ以外の主演ドラマや映画、ゲスト出演などにスポットをあてて、彼の出演した名作をご紹介したいと思う。

それでは、「あまり知られていないがとってもすばらしい水谷豊出演作品」No.1、今日もランキング形式でいってみよう!

まずは第3位! 『探偵物語第5話「夜汽車で来たあいつ」』(連ドラにゲスト出演)
はい、言わずと知れた松田優作の代表作(連ドラ)、『探偵物語』の第5話に、なんと水谷豊がかなり重要な役としてゲスト出演しているのである。東京に出てきた妹を探しに、地方から出てくる兄貴の役である。

実は水谷豊は松田優作とプライベートでも仲が良く、松田優作のことを「優作ちゃん」と呼んでいる。聞いた話では、あのショーケンこと萩原健一主演のドラマ『傷だらけの天使』のアキラ役に水谷豊を推薦したのは、なんと松田優作らしい。

その仲の良さもあってか見事な演技をこの第5話で見せる二人。圧巻は松田優作がギターを弾き、水谷豊が歌を歌うシーンである。哀しさとカッコよさ、そして遊び心が満載のすばらしいシーンである。このシーンだけでもレンタルDVD代の元は取れるだろう。ちなみに水谷豊の妹役は原田美枝子である。

そして第2位! 『遮断機の下りるとき』(単発ドラマ)
これは単発の1時間ドラマである。原作の小説があり、それを元にドラマ化したものだが、1時間とは思えないような内容の濃さと見ごたえがあった。共演は川上麻衣子。

冒頭。踏み切りの前でタバコを吸っている水谷豊。そこへ遠くから最終電車がやってくるのが聞こえる。
「あと一本・・・」。タバコも電車もあと一本、水谷豊演じる男がそんなことをつぶやきながら、自殺しようと線路に飛び込もうとしたまさにその時! 踏み切りの向こう側から女の人が、これまた自殺しようと飛び込んできた! 驚く男! 次の瞬間、男はその女を助けようと線路に飛び込んだ・・・。てなところからストーリーが始まる。
もうかなり前のドラマだが最近になって再放送があり、そのおもしろさを再認識したドラマである。あまり知られていない、珠玉の名作である。

そして栄えある第1位! 『青春の殺人者』(映画)
これは、このコーナーの第1回で取り上げた「長谷川和彦監督」の第1回監督作品である。共演は原田美枝子、市原悦子。
この映画は数々の賞を受賞し、長谷川監督も水谷豊もこれで大ブレイクしたのだが、かなり好き嫌いが分かれる作品かもしれない。長谷川監督の作風というべきか、決して気持ちいい題材やストーリー展開ではない。鬱屈したパワーをあらぬ方向に爆発させてしまった若者を描いた映画である。タイトル通り、殺人シーンもある。しかし、それを見事に演じきってしまっている水谷豊がすごい。さらに、正気か狂気かわからないような微妙なラインをフワフワといく市原悦子が、まぎれもなくこの映画をさらに気持ち悪いものにしている。広く一般にオススメはできないマニア受けの映画だが、あえてこれを1位にさせてもらった。それほどインパクトのある映画である。この時期、水谷豊は殺人をおかしてしまう若者ばかりを演じているのだが、この映画はその極みといってもいいのではないだろうか。

このまま終わると後味が悪いので、最後にお口直しとして・・・。
「あまり知られていないがとってもすばらしい水谷豊出演作品」次点! 『あんちゃん 最終回 〜ブルートレイン、極楽行き!』(連ドラ)
水谷豊主演の連ドラである。共演は伊藤欄。元女子プロレスのマネージャー兼トレーナーの田野中一徹(水谷豊)が、実家のお寺を継ぐことになる。その連ドラの最終回、死が近づいたおじいさんのそばに座り、あの世への道案内を、住職である一徹がするシーンが秀逸である。ふとんで寝ているおじいさんには、すでにあの世への道が見えている。もちろん一徹にその道は見えていないが、やさしく話を合わせ、あの世の門までの道案内をしていくのである。
お口直しと言っておきながらまた死ぬ話になってしまったが、心温まるなかなかいい最終回なのである。機会があればご覧あれ。

というわけで、以上、「あまり知られていないがとってもすばらしい水谷豊出演作品」No.1でした。
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