個人的にすばらしいと思っているアジア舞踊No.1


前回までは映画やドラマに関することばかりを紹介してきたが、今回はほんの少しターゲットを変えてみたい。

とはいえ、やはり芸能事の「民族舞踊」である。中でも、アジアの民族舞踊だけに絞りたい。なぜならヨーロッパやアフリカ、南米などの民族舞踊については全く知らないし、見たこともないからである。

アジアなら、インド、タイ、ネパール、スリランカ、カンボジア、そしてバリ島など、とりあえずあらゆる所でいろいろ見てきた。
もちろん、「アジアの民族舞踊」と一口に言ってもその幅の広さは計り知れず、自分の知らないもの、またほんの一部の地域でしか知られていないものも多数あることは間違いない。

そこで例によって、上田雄士が実際に見たことのある中から、非常に個人的な印象のみで判断し、ランキングで発表してみよう。

それでは「個人的にすばらしいと思っているアジア民族舞踊」No.1、いってみましょう!

まず第3位! 意外にもミャンマー舞踊!
これにはなかなかビックリさせられた。
肩や肘の関節が途方もなく柔らかくないとできないような、とにかく腕や肘をヒラヒラ、クネクネと動かす踊りである。
ちょっと他の国では見たことのない独特の動き。
そして足にまとわりつくほどの長い衣装。まさに遠山の金さんが登場してくるときのように、裾をうまく足で払いながらじゃないと踊れない。
急にしゃがんだり、後ろを向いたりと、日本人には予測不能な動き。リズムもとりにくい。
しかし、うまい人が踊ればそのあまりの独自なスタイルに感動してしまう。そこまで到達するにはかなりの才能と訓練がいりそうな踊りである。
タイやインド、バリの舞踊ももちろんそれぞれ独特である。しかし大雑把にいって、日本人である自分の「舞踊とはこういうもの」という想定を大幅にはみ出るものではない。それをかなりはみ出ているのが、このミャンマー舞踊である。

そして第2位! これまた意外にも琉球舞踊!(日本もアジア!)
初めて見たときのショックは正直言ってあまりなかった。それで
も、ゆっくりと動く古典舞踊のほうにはなかなか興味を惹かれた。
琉球舞踊は大雑把にわけて、明治以降に発展したといわれる雑踊り(ぞうおどり)と、昔からあるとされる古典舞踊の2つに分かれる。
この古典舞踊、あまりにもゆっくり動くので、興味のない人はおそらく3分で眠りこけてしまうだろう。しかし見れば見るほど味が出てくるのである!
そしていつだったか、沖縄に行き、首里城で踊られていた古典舞踊を見て目を奪われた。かなりのレベルの人が踊っていたのだろう、その空気感と一挙手一投足に、まばたきもできないほど魅了されてしまったのである! これほどのムダのない舞踊があるのか、ここまで削ぎ落とし、かつ表現豊かな踊りがあるとは・・・。
そして、踊りといえばたいてい喜びいっぱいで笑顔をふりまくようなものか、さもなければフラメンコのように悲哀たっぷりなものが多いが、琉球舞踊はとにかく無表情なのである。頬ひとつ、ピクリとも動かさない。そこがまた神秘性を増しているのである。
琉球舞踊はかつて、岡本太郎も絶賛していたという。破天荒なアーティストのお墨付きでもあり、私もつい最近までは、世界最高の舞踊は琉球舞踊だと言ってはばからなかった(誰も興味を示してくれなかったが)。

そうなんです、つい最近、その琉球舞踊を超える、これまたムダのないすんばらしい踊りを見てしまったのであります!

それこそが第1位! ジャワ宮廷舞踊!(インドネシア)
これもやたらとゆっくり動く舞踊で、興味のない人にとっては1分で眠りこけてしまうものかもしれないが、私が見たときの踊り手がおそらくジャワ舞踊でも最高レベルの人(インドネシアの舞踊大会で優勝もしている)だったためか、これまた全くまばたきもせずに見てしまうほど素晴らしいものだった。
ムダのない動き、そして頭の動かし方に優雅さと繊細さが要求される。さらに、私が勝手に思っているだけかもしれないが、踊りの中にいくつかの見せ場となる動き(この表現が正しいかは分からないが)がある。琉球舞踊には見せ場たるものは特にない(そこがいいところなのだが)。
これは日本で見ただけなので、いずれジャワで見てみたいと思っている次第である。

以上、浅い知識で書いたものをどれほどの人が興味を持って読んでくださったかは分からないが、これらを超えるような衝撃の舞踊に出会えることを願いながら、「個人的にすばらしいと思っているアジア民族舞踊」No.1、お開きである。
ではまた次回!
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