城南海の鳥肌モノの歌No.1


奄美大島のシマウタをルーツに持つ、とんでもなく素晴らしい歌声の彼女をご存じだろうか? 2014年、テレ東の「The カラオケ☆バトル」で、出場するたびに優勝をかっさらい、2014年中に5冠を達成(2015年3月現在6冠)。オリジナル曲はもちろん、韓国ドラマの挿入歌や日本のドラマの主題歌も歌ってきた彼女だが、2015年に出したカバーアルバムでも原曲を超えるほどの優しく美しい歌声を次々披露。奄美民謡独特の裏声(グイン)をそこかしこにちりばめ、低音から高音へ一気にかけあがる歌声は、鳥肌なしで聴くことはできないほどすばらしい。

…と、いきなり褒めちぎってしまったが、今回はその城南海(きずき みなみ)の歌の中でも特に、ライブで聴いて鳥肌が立たざるを得ない歌たちをランキングで紹介しよう。

まず第4位! 『アイツムギ』
奄美の「大島紬」をそのモチーフとした、彼女のデビュー曲である。タイトル通り、愛を紡ぐかのような優しく清らかな声が印象的だ。しかし、その優しい歌声の中に哀しみや憂いが見え隠れする。奄美の歴史をそのまま体現しているかのような曲調と彼女の表現力に、鳥肌が立たざるを得ない。あまりにも彼女にふさわしすぎる1曲である。

第3位! 『花』
この曲は彼女のアルバムには入っていないのだが、「The カラオケ☆バトル」でも歌っているし、ライブでも何度も歌っている。喜納昌吉作詞作曲のあの名曲でいろんな人がカバーしているが、この曲のすばらしいところは限界がないところ、と言えばいいだろうか。つまり、表現力の素晴らしい歌手が歌えば、どこまでも際限なくその情景や感情の広がりを伝えることができるのである。そしてその極限に触れたとき、聴いている者は鳥肌が立たざるを得ないのである。
数々の優れたシンガーたちが歌ってきたし、自分も好きな歌なのでいろいろな人のを聞いてきたが、ゆったりとしていて高音へ何の苦もなく突き抜ける彼女の声には、今までのどのシンガーにも増して震えが止まらない。

そして第2位! 『ルナ・レガーロ 〜月からの贈り物〜』
いきなりサビからドーンと入る。そのすばらしい高音にいきなりガツンとやられ、サビが来るたびに鳥肌が止まらない。この曲は、フジテレビが総力を挙げて実現した一大エンタテイメント(サーカス、レストラン、音楽の融合)、「ルナ・レガーロ」のイメージソングとなった歌で、彼女も実際にこの公演で歌っている。
彼女の歌声はライブで聞いてもCDクオリティである。あの小さな体のどこからあれほどの声量が出てきて、息切れもせずCDとまったく変わらない正確な音程の維持ができるのか。どんなに大きな会場でも気負うことなく心地いい歌声が出せるのである。その彼女の天賦の才能と歌へのひたむきな姿勢がヒシヒシと伝わる名曲なのである。

さて、1位を発表する前に、2015年リリースのカバーアルバムの中からベスト・オブ・カバー曲をあげておこう。どれもすばらしいのだが、独断と偏見で1曲決めさせていただいた。

それはこれ! 『桜』(オリジナルby 河口恭吾)
初めて聞いたとき、涙が出るほど感動した。そして、何度聞いても原曲を超えるほどの感動を味わえるのである。特にラストの「Ah キミがいる♪」のところではハラハラと散る桜の花びらまで見える。あぁすばらしい。鳥肌が止まらない。

さぁ、オリジナルもカバー曲もあげていてはキリがない。
最後に、城南海の鳥肌モノの歌、No.1を発表してしまいましょう。
それはこの歌だ!

第1位! 『祈りうた 〜トウトガナシ~』
彼女が奄美の三線を弾きながら歌うこの歌は、まさに日本の財産ともいうべき歌である。素晴らしすぎる! 彼女自身が奄美の言葉で作詞した意欲作であり、彼女の人生、奄美の歴史や言葉、ふるさとを思う心、それらが見事に昇華され、大きなうねりとなって世界に届く、そんな歌である。

実はわたくし、もうすでに奄美大島には何度か行っているのだが、辛く悲しい歴史も過去にあった奄美だが、あまりの自然の美しさと人の優しさに驚かされる。その景色や歴史のことも少し知ると、この歌はさらに深く美しく聞こえるのである。

また、奄美の言葉は「消滅危機言語」としてユネスコがリストアップしている言葉でもある。話す人、理解できる人が減ってきており、いずれ消滅する危機に瀕している言語ということになる。そんな奄美の言葉は、実は約7割が日本の古語と言われている。古き日本語の形がそこに残っているのだ。個人的には奄美の言葉で歌われる歌がもっともっと全国に広まってもいいと思っていて、彼女はその先駆けになれる歌手だと思っている。日本だけにとどまらず世界で活躍できる貴重なシンガーである。それをまざまざと証明するのがこの歌だ。素晴らしい。あぁ素晴らしい。

というわけで最後まで褒めちぎってきたが、まぁとにかく構えず、ゆったりと聞ける歌なのでラクに聞いてみてください。

彼女のライブには何度か足を運んでいるが、自分がとにかく願うのは、どんなにブレイクしても、どんなにたくさんお客さんが入ろうとも、無理な日程でライブを入れたりせず、絶対にノドを痛めないようにしてほしい、、、ということである。最後になんだか親心のような心配になってしまったが、マネージャさんにポニーキャニオンさん、大事に大事に、よろしくお願いしますよ!

以上、城南海の鳥肌モノの歌No.1でした。
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