オーディション!



オーディションを受けに行った。

CM出演の選考会、しかも誰もが一度は見た事のあるコマーシャルの「続編」の撮影ということで、採用となればギャラもはずむぞ!
とばかり、意気揚々と出かけていった。

設定は30〜40歳代の真面目なビジネスマンらしく、スーツ着用で来て下さいとのこと。
原宿まで出かけ、スタジオに到着、控え室へと入る。
夕方なのに挨拶は当然、「おはようございます」である。
さすが業界人。そしてそこには、どう見てもカタギではない、ダンディで色気のある40代の男性ばかりが数人、呼ばれる順番を待っていた。

こういう所で圧倒されていてはいけない、ここはまず挨拶が肝心、とばかりに大きな声で、「よ、宜しくお願いしまぁ〜っす!」と叫んでみた。

・・・それなりに他の候補者を威圧できたようである。多分。


その後、壁に貼ってあるCMの絵コンテを見ながら待機。
おもしろそうである。ぜひとも出たい!

そして3人一組で別の部屋へと呼ばれて、いよいよオーディション開始である!
監督から指示を出される。
監督は常に、カメラを通してモニターに映し出される我々を見ている。

自分は2番目。1番目の人がやっているのを見ている。
よし、自分はこうしてやろう!と、そこで演技プランを考える。
さぁ自分の番だ!
考えた通りにやってみる。
チラッと監督を見る。

おぉ、あのしかめっ面の監督が笑っているぞ!

これはいけるかもしれん!採用されるかもしれへんで〜!
充分な手ごたえを感じて帰宅したのである。

翌日。早速、結果通知の電話がかかってきた!

「先日のオーディションの件なんですが。」と先方。
「はい!どうも!」
「・・・残念ながら、他の方に決まってしまいまして」
「はい!ありがとうござ、・・・え?」

人生、そう甘くはないのである。
これからこのCM、自宅で見る事になるんやろなぁ・・・。
プリンタ出力用画面
友達に伝える

前のページ
「大阪」 vs. 「東京」
コンテンツのトップ 次のページ
スキーダチョウ?