まわれミラーボール!


さて、そんなこんなで次の日、朝はやたらと早く起きて、明るくなってきたと同時にホテルをチェックアウトした。
なぜなら前日、ニセ観光局のおっさんに「明日の朝迎えに行くから。
ツアーに連れていくから。な。な。」と何度も念を押されていたからである。
いややそんなもん! また来られてゴチャゴチャされたらたまらん!
その前に逃げるぞおい!
そんな夜逃げのような発想である。

一刻も早く安全で安いゲストハウスを探すべ・・・、そう思って出たものの、昨日は真っ暗な道を車で連れてこられたので自分たちがどこにいるかよく分からない。
道端にいるインド人に聞いてみても、指す方向が人によってまちまちでよく分からない。(インドではよくある事だが・・・)。

そこで仕方なくひたすら車道を歩き、なんとなく賑わったところに出た。
そしてKSの鋭い方向感覚により、見事ニューデリーへと出たのである。
(おそらく何らかの根拠があったのだろうが・・・。ちなみにうへだゆふじは中度の方向音痴である。)
そして安くてきれいなゲストハウスをゲット、ようやく安心してインドのスタートを切れたのである。

それからはデリーの町を大いに堪能。
しかし面倒だったのが、特にニューデリーで多かったのだが、物売りがひっきりなしに寄ってきて何かを売ろうと声をかけてくるのである。
中には「ガンジャ、ハッシッシ」などとドラッグの名前を小さなささやき声で連呼してくる者もいる。
そして日本語で「安いねこれ。安いねこれ」・・・。
うっとうしかったが、まぁこれがインド。
徐々に断り方にも慣れ、猥雑さを楽しめるようになっていった。

しかし、それにしても昼間は暑い・・・。
なんやねん、この殺人的な暑さは・・・。

さてそんな折、どうしても見てみたいものが1つあった。
インド舞踊である。
某地球の歩き方なる本を見ていると、某デリーで、某インド舞踊を見せてくれるところがあると書いてある。
早速出かけた。

なかなか場所が分からなかった。
夕方とはいえ、あっちへこっちへと迷いながら歩いていると頭がクラクラしてくる。
迷いに迷ってようやく見つけたのは、体育館のような建物だった。
中に入るとほんとに体育館のようにだだっ広く、パイプイスが大量に並べられていた。
そこに自分たち2人と、西洋人が4,5人。
見上げると、天井にミラーボールが1つ。
100ルピーという値段の割には、全く盛り上がりを欠いていた。
(ちなみに1回の食事がだいたい40ルピーぐらいだったと思う)。
時間になったらしい、照明が消えて真っ暗になった。

・・・文字通り、真っ暗になった。
何にも見えない。
いつ始まるのかと待っていると、突然ミラーボールが照らし出され、クルクルクルと回りだした。
それとともに、これから見せられるダンスの説明が英語でなされる。
しかしそのミラーボール、取り付けが悪いのか、時々、「クルクルクルクル、・・・ガク! ガ、ガク! ガクガク!」といびつな回り方をする。
気になって気になって、ダンスの説明を聞くどころではない。
すると照明が全部ついて、生演奏が始まり、ダンサーが出てきて始まるのである。

どうやらダンスは、色々な地方の色々なものを見せてくれるようである。
バーラタナティアム、カタック、カタカリ、などなど。
中には壷を頭の上に何個も重ねて載せたまま踊る、曲芸のようなダンスまである。
なかなか内容は濃い。

しかしそれぞれのダンスが終わった後、次のダンスの説明があるのだが、そのたびに照明が全部消え、ミラーボールがガク、ガクガクガク!と回るのである。
幻想的な演出のつもりなのだろうが、その度にこっちは笑いをこらえなくてはならない。

クルクルクル、ガ、ガク! ガクガク! ガッ!
す、スムーズにまわれっ! み、ミラーボールっ!! 

そんなこんなで、デリーの夜もふけていった・・・。

次回、マトゥラー編をお楽しみに・・・。
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