タージ! タージタージ!!


さて、マトゥラーからバスに揺られること2時間、アグラに着いた。
ここは一大観光地、なぜならかの有名な霊廟、タージ・マハルがあるからだ。

タージ・マハル・・・。

その形から宮殿だと思われがちだが、これはムガル皇帝シャー・ジャハーンが、若くして亡くなった妃ムムターズ・マハルのために建てたお墓である。
22年の歳月と天文学的な費用をかけて、1653年に完成したという。

そのタージ・マハルのすぐ裏手にあるゲストハウスに宿をとった。
残念ながらここからタージは見えない。
荷物を置き、早速見に行くことにした。

裏門は閉鎖されて入れなかったので、ぐるっと表門へと回る。
入り口付近に人がズラッと並んでいる。どうやら入場料がいるようだ。
早く見たいと急く自分の心を抑えながら、その短くて長い時間を待った。

だいたいどんなに有名な建物やモニュメントであっても、期待はずれだったりするものだ。
写真で見るといいように見えるのだが、実物は案外小さかったり、汚れていたり、あるいはその周りの風情が全くなかったり。
このタージはどんなものか、少し期待を控えめにしながら中に入ってみた。

さぁ、そしていよいよタージとご対面・・・。
すると・・・。

どあ〜! 

まじかいな!

こ、これは・・・。

す、すんごい〜!!

すんごひ! すんごいひ〜ぞ〜!

前回書いたが、うへだゆふじは建物を見てもあまり衝撃を受けない。
その素晴らしさがあまり分からないのだが、このタージにはホントにたまげた!!

とにかくデカい。デカく見える。
インドの建物は概して赤土色であるが、このタージはきれいに真っ白なのである!!
当時の皇帝シャー・ジャハーンが、インド中から大理石を集め、運ばせたのだという。

すばらしい。まさに幻のようである。
なにか、かげろうの中にボワッと現れたような、異様な美しさを放っているのである。
しばらく見とれて動けなかった。

すごいぞ。これはすごいぞなもし〜!!
近づくのが怖い。心臓がドキドキしている。
こんな衝撃は初めてだった。

しばらく遠くから眺めたのち、意を決して近づいてみることにした。
近づく途中、今は亡き英国のダイアナ妃がそこに座ってタージを見たというベンチ、「ダイアナシート」なるものがある。
そこからの眺めはさらに素晴らしい。

しばらく見とれた後、また近づいていった。
すぐ近くまで来ると、そこでみんな履き物を脱いでいる。
タージには土足で上がってはいけないのである。
そこで靴&ゾウリを預かってくれるおっさんがいた。
みんなそのおっさんの前に置いていって、取られないように見張ってもらう。
そして帰りにチップを渡す。
後で気付いたのだが、なんとこのおっさん、何十も何百もあるようなゾウリを、1つ1つ誰のだったか覚えているのである。
戻ってくると、「君のはそこ! あんたのはあっち!」というように指差す。
さすがはゾウリ預かりのプロである。(勝手にやってるのだろうが)。

タージはやはり、近づいてみてもきれいだった。
壁には一面、イスラムの経文がデザインのように書いてある。
中には妃の棺があるだけ。
外のデカさに比べ、中はわりと狭かった。

KSもかなり気に入ったらしく、しばらく座り込んでずっとタージを見上げていた。
その後、夕暮れまでそこにいて、夕日に照らされるタージを堪能。
途中、変なおっさんに「いい撮影ポイントがあるよ」と誘われ、うへだゆふじは言われるままに連いていったのだが、「はいここ。それからこっち。ほらきれいでしょ」と、言われる通り写真を写していると、最後そのおっさんに「はい、料金」と言われた。
「何の料金?」と聞くと、「いいアングルを教えた料金」。

アホか、そんなん誰でも分かるわい。
確かに連いていったワシが悪いかもしれんけど、そんなん払えるかいな。
するとおっさん、「これが俺の仕事だ。家には嫁と3人の子供が云々・・」
生きるのに必死なのは分かるが、それにお金を払うほどお人好しではない。
断りながら帰ってくると、なんとそこで、KSが別のおっさんにヨガのポーズを教わっていた。
「おい、また金せびられるぞ」と言うと、「え? ほんまに?」と驚くKS。
「サンキュー、サンキュー」と、その場を立ち去るのであった・・・。

そんなこんなで日も暮れて、宿へと戻ってきた。
食堂で夕飯を食べていると、同じくそこに泊まっている日本人と出くわした。
その彼はあちこちと旅をしているらしく、「中東はいい。シリアにイスラエル、ヨルダン・・・」などと話していた。

楽しい夕食。
次の日、我々2人がどえらいことになるのを、まだこの時は知らなかった・・・。

次回、アグラ編Part2に続く・・・。
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